Intelの次世代CPUロードマップが大きく変わりそうだ。複数の情報筋によると、当初2025年に予定されていたArrow Lake Refreshシリーズが中止され、デスクトップPC向けCPUは2026年まで登場しない可能性が浮上している。
Arrow Lake Refreshの中止
この情報は、ChiphellフォーラムのレギュラーコントリビューターであるPanzerlied氏によって最初に明らかにされた。Panzerlied氏は、IntelがArrow Lake-S Refreshデスクトップ向けCPUファミリーをキャンセルし、代わりにNova Lakeを次世代製品として位置づける方針に転換したと主張している。
当初の計画では、IntelのCPUリリースサイクルは以下のように予定されていた:
- 2024年: 新しいArrow Lakeシリーズ(10月リリース予定)
- 2025年: Arrow Lake Refresh
- 2026年: 新しいNova Lakeシリーズ
しかし、今回の報道が事実であれば、Intelは2025年に新製品をリリースしない可能性が高い。これは、Intelの通常の製品サイクルから大きく逸脱するものであり、ユーザーとしては残念極まりない事態だ。
Arrow Lake Refreshの中止理由については明確な情報がないが、いくつかの推測がなされている。一つの可能性として、Intelが新しいArrow Lakeチップの性能に十分な自信を持っており、2025年まで同製品で競争力を維持できると判断した可能性がある。また、リフレッシュモデルで十分な性能向上を実現することが困難だったという技術的な理由も考えられる。
だが、Arrow Lake Refresh中止の情報は、Intelの今後のCPUロードマップに大きな影響を与える可能性がある。特に注目すべきは、Nova LakeとRazer Lakeの位置づけである。
Nova Lakeは、当初2026年にリリースされる予定だったが、Arrow Lake Refreshの中止により、その重要性が増す可能性がある。Nova Lakeは、Royal CoreのPコアとArctic WolfのEコアを採用すると噂されており、高性能と効率性の両立を目指した製品になると予想されている。
さらに、Nova Lakeの後継として「Razer Lake」の存在が浮上している。信頼性の高いリーカーであるHXLがXで公開した情報によると、Razer LakeはNova Lakeの後に登場する予定だという。しかし、Razer Lakeの詳細については現時点で不明な点が多く、Royal CoreあるいはCobra Coreのどちらを採用するかも明らかになっていない。
これらの変更は、Intelのソケット戦略にも影響を与える可能性がある。現在のArrow Lake CPUは、LGA 1851ソケットを採用する予定だが、Arrow Lake Refreshの中止により、LGA 1851ソケットの寿命が短くなる可能性がある。一部の情報では、Nova LakeもLGA 1851ソケットと互換性を持つ可能性が示唆されているが、これはまだ確認されていない。
Xenospectrum’s Take
IntelのCPUロードマップの変更は、単なる製品戦略の調整以上の意味を持つ可能性がある。Arrow Lake Refreshの中止は、Intelが現在直面している技術的課題や市場環境の変化を反映しているのかもしれない。
特に注目すべきは、モバイルプロセッサへの注力傾向だ。Intelは最近、ラップトップ向けのCore Ultra 200Vラインアップ(旧Lunar Lake)に力を入れており、デスクトップ市場よりもモバイル市場を重視する戦略シフトが見られる。
また、AMDとの競争も無視できない要因だ。IntelがArrow Lake製品を2年間維持するという決断は、AMDのRyzenプロセッサに対抗するための戦略的な動きかもしれない。
ただし、これらの情報はあくまでも噂段階であり、Intelが公式に確認したものではない。技術業界の動向は急速に変化するため、今後の公式発表や追加情報に注目する必要がある。
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