MediaTekが昨日、最新のフラッグシップSoC、Dimensity 9400を正式に発表したが、この新型チップセットを搭載した端末の一つであるOppo Find X8 Proが早速テストされ、AppleのA18 Proを搭載したiPhone 16 Proを上回るゲーミング性能を示したことが明らかになった。
MediaTekの最新フラッグシップチップ、Dimensity 9400の性能が明らかに
Dimensity 9400は、MediaTekにとって初の3nmプロセスで製造されたチップであり、高効率コアを持たない2番目のフラッグシップSoCとなる。MediaTekは、このチップが前世代と比較して以下の性能向上を実現したと主張している:
- シングルスレッド性能:35%向上
- マルチスレッド性能:28%向上
- GPU性能:41%向上
これらの改善により、Dimensity 9400は競合他社の最新チップと互角以上の性能を発揮できる可能性がある。
中国のテクノロジーメディアWhyLabが実施したベンチマークテストによると、Dimensity 9400を搭載したOppo Find X8 Proは人気ゲーム『原神』の30分間のプレイで平均60.44FPSを記録した。一方、iPhone 16 Proの平均は47.48FPSにとどまったとのことだ。
ただし、この比較にはいくつかの注意点がある:
- レンダリング解像度:iPhone 16 Proは864p、Oppo Find X8 Proは810pでレンダリングを行っている。
- 消費電力:Dimensity 9400はA18 Proと比較してやや高い消費電力を示している。
とはいえ、これらの点を考慮しても、Dimensity 9400が安定した高フレームレートを維持できたことは注目に値する。
CPU性能とGPU性能の比較
Geekerwanによる別のベンチマークテストでは、Dimensity 9400のCPUおよびGPU性能がより詳細に評価された。
CPU性能:
- Geekbench 6マルチコアテストで約9000点を記録
- Dimensity 9300+から約15%の性能向上
- A18 Proにわずかに及ばない結果
GPU性能:
- 3DMarkのSteel Nomad Lightテストで約2700点を記録
- A18 Pro(約2200点)とSnapdragon 8 Gen 3(約1800点)を上回る
- 消費電力もA18 Proより若干低い(11.2W vs 11.5W)
これらの結果は、Dimensity 9400がCPU性能でAppleのチップに迫りつつ、GPU性能では上回る可能性があることを示すものだ。
Xenospectrum’s Take
MediaTekのDimensity 9400は、モバイル市場に新たな競争をもたらす可能性を秘めている。特にGPU性能とゲーミングパフォーマンスにおいて、業界リーダーであるAppleのA18 Proを上回る結果を示したことは注目に値する。
しかし、消費電力の面では改善の余地があり、実際の使用シーンでのバッテリー持続時間や発熱管理が課題となる可能性がある。また、ベンチマーク結果と実際のユーザー体験には差があることも考慮する必要がある。
Dimensity 9400を搭載したデバイスが市場に投入されれば、特にゲーミング志向のユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。ただし、AppleのiPhoneが持つエコシステムの強みや、Qualcommの広範な採用実績を覆すには、MediaTekがより多くの主要スマートフォンメーカーの採用を獲得する必要がある。
今後、Dimensity 9400搭載デバイスの実際の性能や、他のフラッグシップチップとの比較結果に注目が集まるだろう。噂では、SamsungのGalaxy S25シリーズの一部にこのDimensity 9400が採用される可能性もあるようで、これまであまり馴染みのなかったMediaTekのDimensity 9000シリーズだが、日本のユーザーにも馴染みの存在になるかも知れない。
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