Sonyの「PlayStation」やSEGAの「セガサターン」、任天堂の「ニンテンドー ゲームキューブ」をサポートしたエミュレータである「Provenance」がiPhone向けに開発中であることがiMoreによって報じられている。
EUのデジタル市場法(DMA)が施行され、Appleは変化を余儀なくされた。一部はEU圏内での出来事ではあるが、直接日本のユーザーにも恩恵のあるものもあり、例えばiPhone 15シリーズから、充電ポートがLightningポートからUSB-Cに変更されたことや、App Storeがレトロゲームのエミュレーターを許可するようになった事などがある。
後者のエミュレータについては、果たしてApp Storeが審査を通過させるのかどうかと言う懸念もあったが、Riley Testut氏によって開発されたゲームボーイやニンテンドウ64、DSなどに対応した「Delta」が登場し、話題となっている。そして今回、それに続く新たなエミュレータの開発プロジェクトが明らかになった。
iMoreが報じたように、ProvenanceのプロジェクトリーダーであるJoseph Mattiello氏は、彼らのチームがApp Store向けのリリースに熱心に取り組んでいることを明らかにした。App Storeのルールに準拠するため、まだいくつかの問題が残っているが、iOSでのProvenanceのリリースが目前に迫っており、リリースされればDelta同様に大きな話題となる事だろう。
Provenanceは、セガサターン、任天堂バーチャルボーイ、SonyのPlayStation、ニンテンドーゲームキューブなど、さまざまなゲームプラットフォームをサポートするマルチシステムエミュレータだ。ProvenanceのWebサイトにあるサポートシステム一覧にあるように、ドリームキャスト、PlayStatoin 2、ニンテンドーDSのサポートも開発中であり、近く実現させる予定のようだ。
Provenanceのリリース時期はまだ不明だ。不具合の解消やApp Storeの審査には予想以上に時間がかかる可能性もある。Provenanceは2013年にJames Addyman氏によって初めて作られた。その後、Mattiello氏は2016年からプロジェクトに参加し、Provenanceを開発しているがその頃はiOSを脱獄してインストールするしかなかった。だが今回、そうした開発者の苦労の果てにリリースが決定すれば、ユーザーはApp Storeからエミュレータをインストール出来る様になるはずだ。
ただし、任天堂、セガ、Sony等のゲームの物理版を所有していても、エミュレーションのためにダウンロードする権利は与えらておらず、特に任天堂からは著作権法違反と見なされる点には注意が必要だ。つまり、過去の有名タイトルの多くを(合法的に)エミュレータで遊ぶことは事実上不可能だということは頭に入れておいた方が良いだろう。
ではエミュレータは何のために存在しているのか?これは、主にそうした著作権法に違反しないような一部の公開されているゲーム(有志による自作ゲーム等)を遊ぶためにある。実際に、Provenanceが利用可能になれば、多くのPlayStation向けゲームが遊べるようだ。
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ニンテンドー64 ×
ニンテンドウ64 ○
ご指摘ありがとうございます。
早速修正させて頂きました。