NVIDIAが2024年第3四半期の好調な業績を発表する一方で、年末商戦期における GeForce RTX 4000シリーズの供給制約を警告した。同社CFOのColette Kressは、次世代Blackwellアーキテクチャへの移行準備に伴いRTX 4000シリーズの生産を縮小する方針を示している。
供給制約の見通しと業績への影響
NVIDIAのゲーミング部門は第3四半期に32億ドルの売上を記録し、前年同期比15%の成長を達成した。しかしKress CFOは第4四半期について「ゲーミング部門の売り上げは供給制約により四半期ベースで減少する見込みである」と述べている。この制約は特にノートPC向けGPUの入手性に影響を及ぼす可能性が高い。ただし同CFOは2025年初頭には供給状況が改善する見通しを示している。
供給制約の背景には、2025年1月のCESでの発表が予想されるBlackwellアーキテクチャベースの次世代GPU「RTX 5000シリーズ」への移行準備がある。特に最上位モデルとなるRTX 5090とRTX 5080の発表が見込まれている。現行のRTX 4000シリーズについては、一部のモバイル向けチップは次世代モデルと並行して生産を継続する計画だが、デスクトップ向け製品の生産は段階的に縮小される見通しだ。
Xenospectrum’s Take
供給制約の「警告」は、実質的にRTX 4000シリーズの在庫調整と価格維持を図る戦略的な動きとも解釈できる。年末商戦期の需要増加を見越した供給抑制は、現行モデルの値崩れを防ぎつつ、次世代モデルへの期待感を高める効果がある。データセンター部門が全売上の87.7%を占める現状では、消費者向けGPUの供給よりも、より収益性の高いデータセンター向け製品の生産を優先するのは当然の判断だろう。皮肉なことに、この「品薄警告」によって、かえって年末までの駆け込み需要を喚起する可能性もある。
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