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Intel、Arrow Lake CPUにAPOサポート追加 – ゲームパフォーマンス向上で最大31%のブースト

Y Kobayashi

2024年10月16日

Intelが最新のArrow Lake CPUに対してApplication Optimization (APO) のサポートを追加した。この動きにより、対応するゲームタイトルでは最大31%ものパフォーマンス向上が期待できるという。ゲーミング市場での競争が激化する中、Intelのゲームへの積極的な注力は注目に値する。

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IntelのAPO (Application Optimization) とは

IntelのApplication Optimization、通称APOは、対応するアプリケーションやゲームに対してハードウェアリソースを最適に割り当てるユーティリティソフトウェアだ。このソフトウェアは、Intel Dynamic Tuning Technology (Intel DTT) を活用し、リアルタイムでアプリケーションのニーズを判断し、最も注目を要するタスクにリソースを集中させる。

具体的には、APOはスレッドスケジューリングとアプリケーションスレッディングを特定のワークロードに対して最適化する。これにより、システムのパフォーマンスを向上させ、バッテリー寿命を延ばし、温度管理を改善することが可能となる。言わば、APOはIntelプロセッサの隠れた実力を引き出す魔法の杖のような存在だ。

Arrow Lake CPUへのAPOサポート拡大

Intelは今回、最上位のArrow Lake CPUに対してAPOの正式な「検証済み」サポートを発表した。具体的には、以下の3モデルがAPOの恩恵を最大限に受けられるようになる。

  • Intel Core Ultra 9 285K
  • Intel Core Ultra 7 265K
  • Intel Core Ultra 7 265KF

これらのプロセッサは、APOソフトウェアと完全に互換性があり、「検証済み」の体験を提供する。つまり、これらのCPUを搭載したシステムでは、APOの機能をフルに活用してゲームパフォーマンスを最大化できるということだ。

一方で、Intel Core Ultra 5 245K/KFなどの一部のArrow Lake CPUモデルは、完全な「検証済み」サポートではなく、「Advanced Mode」と呼ばれる制限付きモードでAPOを利用できる。これは、完全な互換性ではないものの、一定のパフォーマンス向上効果が期待できることを意味する。

さらに、第12世代以降のIntelプロセッサユーザーも、一定の条件下でAPOを利用できる。ただし、少なくとも6つのPコアを搭載したチップである必要があり、「Advanced Mode」での動作に限定される。

この動きは、Intelが最新のArrow Lake CPUの性能を最大限に引き出そうとする姿勢の表れと言える。同時に、既存のユーザーにも一定の恩恵を提供することで、幅広いユーザー層にアピールする戦略とも捉えられる。

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APO対応ゲームタイトルの拡充

Intelは今回のAPOサポート拡大に合わせて、新たに12のゲームタイトルをAPO対応リストに追加した。これにより、APO対応ゲームの総数は26タイトルにまで拡大している。新たに追加された注目のタイトルには以下のものが含まれる:

  • Counter-Strike 2
  • Cyberpunk 2077
  • Dota 2
  • Fortnite
  • Shadow of the Tomb Raider
  • Total War: Warhammer 3

これらのゲームは、eスポーツタイトルからAAA級の大作まで幅広いジャンルをカバーしている。特に、『Counter-Strike 2』や『Dota 2』といったSteamで常時数十万人が同時プレイしている人気タイトルが含まれていることは注目に値する。

また、『Cyberpunk 2077』や『Shadow of the Tomb Raider』など、ベンチマークテストでよく使用されるタイトルも含まれている。これにより、APOの効果を実際のゲーミング環境で測定しやすくなると同時に、エンスージアストやレビューサイトがAPOの実性能を検証しやすくなるだろう。

APOの性能向上効果と利用条件

Intelによれば、APOの利用によって最大31%ものゲーミングパフォーマンス向上が得られる可能性があるという。この数字は、特定のゲーミングシナリオにおける最大値であり、実際の効果はゲームタイトルやシステム構成によって異なる可能性がある。

APOの利用には、いくつかの条件がある:

  • 対応プロセッサ:
    • 最適な体験:Core Ultra 200S (Ultra 7および Ultra 9)、第14世代Core i7およびCore i9
    • モバイルプロセッサ:Core i7-14700HXおよびCore i9-14900HX
    • 制限付き対応:Core Ultra 5、第14世代Core i5、第12世代および第13世代のすべてのプロセッサ
  • 対応OS:Windows 10またはWindows 11
  • ソフトウェアのインストール:APOソフトウェアは現在、Intel公式サイトからは直接ダウンロードできない。代わりに、Microsoft Storeを通じてインターフェースをダウンロードする必要がある。

APOアプリケーションには、ユーザーがモードを切り替えたり、最適化を適用するゲームを選択したりできる機能が含まれている。これにより、ユーザーは自身のニーズに合わせてAPOの動作をカスタマイズできる。

しかし、APOの効果を最大限に引き出すためには、最新のCore Ultra 200SシリーズやCore i7/i9プロセッサを搭載したシステムが必要となる。これは、Intelが最新のハードウェアへのアップグレードを促す戦略の一環と考えるのは、決してうがった見方ではないだろう。


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