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Intel、第13世代及び第14世代Coreプロセッサの延長保証対象製品一覧を発表、OEM版等も対象に

Y Kobayashi

2024年8月7日

Intelが第13世代および第14世代のデスクトップ向けCoreプロセッサに対して、最大5年間の延長保証を提供することを発表したことは既にお伝えした。この措置は、一部のプロセッサで報告されている不安定性の問題に対応するもので、当初はボックス版CPUのみを対象としていたが、その後OEMおよびトレイ版CPUも含めることを決定し、保証範囲を大幅に拡大したことを発表している。

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Intelによる延長保証の詳細と対象モデル一覧

今回のIntel第13世代および第14世代デスクトップ向けCoreプロセッサの不具合に端を発するこの延長保証プログラムは、Core i5、i7、i9シリーズの特定モデルを対象としている。具体的には、第13世代では13900KSから13600KFまでの11モデル、第14世代では14900KSから14600KFまでの11モデルが含まれる。注目すべき点は、この保証が新規購入品だけでなく、既に購入済みの製品にも適用される点だ。

世代第13世代Core第14世代Core
Intel Core i9i9-13900KSi9-14900KS
Intel Core i9i9-13900Ki9-14900K
Intel Core i9i9-13900KFi9-14900KF
Intel Core i9i9-13900i9-14900
Intel Core i7i7-13700Ki7-14700K
Intel Core i7i7-13700KFi7-14700KF
Intel Core i7i7-13790Fi7-14790F
Intel Core i7i7-13700Fi7-14700F
Intel Core i7i7-13700i7-14700
Intel Core i5i5-13600Ki5-14600K
Intel Core i5i5-13600KFi5-14600KF

保証期間は購入日から2年間延長され、最大で5年間となる。Intelは、この保証がグローバルに適用されることを強調しており、世界中の顧客が恩恵を受けられる。

保証サービスの利用方法は、製品の購入形態によって異なる。ボックス版プロセッサの所有者はIntelカスタマーサポートに直接連絡できるが、トレイ版プロセッサの所有者は購入店に、OEMまたはシステムインテグレーター製のデスクトップシステムの所有者はシステム製造元に連絡する必要がある。これにより、各購入チャネルに応じた適切なサポートが提供される。

さらに、Intelは以前のRMA(返品交換保証)申請で成功しなかった顧客に対しても、再度カスタマーサポートに連絡するよう呼びかけている。これは、問題の広範な影響を認識し、すべての影響を受けた顧客をサポートしようとするIntelの姿勢を示している。

その他、Intelによる技術的な対応としては、8月中旬までに不安定性の原因となっている高電圧問題に対処するパッチをリリースする予定だ。ただし、このパッチは既に不安定になった、または故障したプロセッサを修復することはできない点に注意が必要だ。つまり、このパッチは予防的な措置であり、既存の問題を解決するものではない

この問題の影響は広範囲に及んでおり、個人ユーザーだけでなく、ゲーム開発者や大規模サーバー運営者からも報告が上がっている。例えば、システムインテグレーターのPuget Systemsが公表した統計や、大規模サーバーを運用しているゲーム発行者や開発者からの複数の障害報告が、問題の深刻さを裏付けている。

Intelの対応は、製品の信頼性に対する懸念を払拭し、顧客の信頼を回復するための重要なステップと言える。しかし、根本的な原因はまだ特定されておらず、劣化したCPUは恒久的に損傷を受けているため、クロック周波数を抑えることや電圧を抑えるなどの対策以外に修復の手段がない。

この状況は、ハイエンドプロセッサ市場における競争が激化する中で、Intelにとって大きな課題となっている。延長保証とパッチの提供は短期的な解決策であるが、長期的には製品の設計や品質管理プロセスの見直しが必要になる可能性がある。今後、Intelがこの問題にどのように対処し、次世代製品の信頼性を確保していくかが注目される。


Sources

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