市場調査会社Canalysの調査によると、中国市場におけるAppleの落ち込みはかなり大きいようだ。Appleは前四半期では大きく売上を伸ばしていたが、2024年第1四半期では1位の座から陥落したのみならず、一気に5位まで転落した事が明らかになった。そして、この落ち込みは四半期ベースで見れば過去最大の落ち込みだという。
これに先立ち、Counterpoint Researchは、Appleの中国における2024年第1四半期のiPhone販売台数が前年同期比19.1%減であったと報告していたが、今回Canalysは、売上は25%減と大幅に悪化したと主張している。
Appleの落ち込みはトップ5ベンダーの中で最悪で、iPhone出荷台数は、前年同期比25%減の1,000万台に留まり、市場シェアは20%から15%に低下した。これに対し、トップのHuaweiは前年同期比70%増の1,170万台のスマートフォンを出荷し、シェアは2023年第1四半期の10%から17%に上昇し、一気に1位に躍り出ている。
2024 年第 1 四半期の 出荷台数 (百万台) | 2024 年第 1 四半期の 市場シェア | 2023 年第 1 四半期の 出荷台数 (百万台) | 2023 年第 1 四半期の 市場シェア | 年間 成長率 | |
---|---|---|---|---|---|
Huawei | 11.7 | 17% | 6.8 | 10% | 70% |
OPPO | 10.9 | 16% | 12.6 | 19% | -14% |
HONOR | 10.6 | 16% | 9.7 | 14% | 9% |
vivo | 10.3 | 15% | 11.3 | 17% | -9% |
Apple | 10.0 | 15% | 13.3 | 20% | -25% |
その他 | 14.2 | 21% | 13.8 | 20% | 3% |
合計 | 67.7 | 100% | 67.6 | 100% | 0% |
CanalysのリサーチアナリストであるLucas Zhong氏は、これはAppleが生成AIに足元をすくわれたことが一因だと分析している:
「生成AI対応スマートフォンは、2024年に中国ベンダーがハイエンドで差別化を図り、自国市場でAppleに挑戦する重要な機会を提供します。Canalysは、中国本土における2024年の生成AI対応スマートフォンの出荷台数は、世界平均の9%を上回る12%に達すると予測しています。ベンダー各社は、興味深いAIのユースケースを開発し、消費者を啓蒙するために多額のマーケティング費用を投じて最新のフラッグシップモデルにAI機能を組み込むことで、消費者を積極的に取り込んでいます」。
しかし、Canalysの2021年第3四半期から2024年第1四半期までの販売台数チャートによると、iPhone 15のピーク販売台数は前年のiPhone 14よりも高かった事もまた確かだ。
2024年2月、Appleは中国の売上が前年比13%減となったと報告したが、それでも同国でのiPhone売上は200億ドル強に上る。
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