Intelの次世代デスクトップCPU「Arrow Lake-S」のダイレイアウトが明らかになり、PコアとEコアの配置が大幅に変更されることがわかった。この新しい設計は、プロセッサの性能と効率性を向上させる可能性に繋がりそうだ。
Arrow Lake-Sではコア構成が大きく変更される
Intel の Arrow Lake-S プロセッサは、従来のデザインとは異なるコア配置を採用する。これまでのAlder Lake、Raptor Lake、Meteor Lakeでは、PコアとEコア クラスターがダイの別々の領域に配置されていた。
しかし、Arrow Lake-Sでは、 Eコア クラスターが Pコアの間に分散して配置される新しいレイアウトが採用されるようだ。
具体的には、1つのPコアの後にEコア クラスター、続いて2つのPコア、そしてまたEコア クラスターという順序で配置される。この新しい配置には以下のような利点がある:
- レイテンシの低減:PコアとEコア クラスター間の平均レイテンシが減少する。
- 熱分散の改善:特にゲーミング時に、ダイの特定の領域に熱が集中するのを防ぐ。
- スレッド移行の効率化:各Pコアが最大で1つのリングストップ離れた位置にEコア クラスターを持つため、2つのコアタイプ間のスレッド移行がより効率的になる。
新しいコアレイアウトによる熱設計面でのメリットは、特にゲーミング時において、ダイ上の特定領域への熱集中を軽減できる可能性があり、安定性に寄与する可能性があるだろう。
また、Arrow LakeのPコアとEコアのキャッシュ構成も明らかになった:
- Pコア(Lion Cove): 3 MB L2 / 3 MB L3
- Eコア(Skymont): 4 MB L2 / 3 MB L3
これは、現行のRaptor Lake世代と比較して、P-コアのL2キャッシュが1 MB増加していることを示している。
Arrow Lake-S は、Lion Cove アーキテクチャに基づく最大8つのPコア と、Skymont アーキテクチャに基づく16のEコアを搭載し、合計24コア24スレッドの構成となる。ハイパースレッディングはサポートしない見込みだ。
Arrow Lakeプロセッサは、デスクトップおよびモバイル向けに展開される予定で、最初のデスクトップ版は10月にリリースされる見込みだ。この革新的な設計は、Intelの次世代ハイパフォーマンスプロセッサにとって重要な転換点となる可能性がある。ただし、Raptor Lake等で起こっている不具合が起こらなければ、だが。
Sources
コメント