Samsungは、これまでの噂通り、同社初のモバイル向け3nmチップとして、まずはウェアラブルにこの最先端技術を導入する事を発表した。Samsungの3nmプロセス採用の新型ウェアラブルSoC「Exynos W1000」は、Galaxy Watch 7シリーズに搭載される見込みで、これにより、大幅な性能向上と電力効率の改善が期待される。
Exynos W1000の革新的な特徴と性能向上
Exynos W1000は、Samsungの第2世代3nm GAAプロセス技術を用いて製造される。このチップの最大の特徴は、ウェアラブル向けSoCとしては異例なことに、5コアCPUを採用していることだ。前モデルのExynos W930がデュアル構成だったことを考えるとこれは大きな飛躍だろう。具体的には、1個のCortex-A78コアと4個のCortex-A55コアを組み合わせた構成となっている。これにより、シングルコア性能では前モデル比3.4倍、マルチコア性能で3.7倍という飛躍的な向上を実現している。
グラフィックス処理にはArm Mali-G68 MP2 GPUを採用し、最大640×640ピクセルの解像度をサポートする。また、32GBの内蔵ストレージを統合し、LPDDRメモリを採用することで、さらなる省電力化を図っている。
新チップの製造には、Samsung SemiconductorのFan-out Panel-Level Packaging (FOPLP)技術が採用され、電力効率と放熱性が向上。さらに、embedded Package-on-Package (ePOP)技術を用いてRAMとストレージをチップ上に統合し、System-in-Package (SiP)技術でPMIC(電源管理IC)も同一パッケージに組み込んでいる。
Exynos W1000は、2.5D Always on Display (AoD)機能も搭載しており、低消費電力モードでもより詳細で色鮮やかな文字盤表示が可能となる。接続性においても、4G LTE、Bluetooth、Wi-Fi b/g/n、GPS、NFCなど、幅広い規格をサポートしている。
Samsungによると、このチップを搭載したスマートウォッチは、アプリの起動時間が前モデルのExynos W930と比較して、2.7倍高速化され、アプリの切り替えもスムーズになるという。さらに、新技術の採用により、バッテリー持続時間も大幅に改善され、1回の充電で2〜3日の使用が可能になると期待されている。
Exynos W1000を搭載したGalaxy Watch 7シリーズは、2024年7月10日に開催予定のUnpackedイベントで発表される見込みだ。この新チップの登場により、Samsungのスマートウォッチは性能面で大きく飛躍し、ウェアラブル市場における競争力を一層高めることになりそうだ。
Sources
- Samsung Semiconductor: Exynos W1000
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