長らく続いていたIntelの最新世代Coreプロセッサの挙動が不安定になり、システムがクラッシュしたり、プロセッサが劣化する問題について、Intelはついにその根本原因を突き止めたと発表した。合わせて同社は8月中旬までに修正パッチをリリースする予定であることを明らかにしている。
問題の原因は電圧制御のアルゴリズム
Intelの最終調査結果によると、問題の根本原因は「マイクロコードのアルゴリズムに起因する高すぎる動作電圧」であることが判明したという。具体的には、プロセッサに対して不適切な電圧要求を行うマイクロコードのアルゴリズムが、動作電圧の上昇を引き起こしていたという。その結果、プロセッサは安全な閾値を超えて動作することになった。
Intelは公式声明で次のように述べている:
不安定性の問題により返品された第13世代および第14世代Coreデスクトッププロセッサの広範な分析に基づき、一部のプロセッサにおいて高すぎる動作電圧が不安定性の問題を引き起こしていることが判明しました。返品されたプロセッサの分析により、この高い動作電圧がマイクロコードのアルゴリズムに起因し、プロセッサへの不適切な電圧要求をもたらしていることが確認されました。
この問題に対処するため、Intelは現在マイクロコードパッチの開発を進めている。このパッチは高電圧への露出の根本原因に対処するもので、8月中旬までにパートナー企業へリリースされる予定だ。Intelはパッチの配布前に、報告されているあらゆる不安定性のシナリオに対応できることを確認するため、継続的な検証作業を行っている。
この問題は2022年12月頃から報告され始めたが、当時はこれほど大きな問題になるとは想像もされていなかったことだろう。特にUnreal Engineを使用した最新のAAA級ゲームタイトルでクラッシュやその他の問題が多数報告されていた。問題の深刻さは徐々に明らかになり、一部の報道では影響を受けるK型モデルの不具合率が50%に達し、影響を受けるプロセッサの総数が100万個を超えるという推測も出ていた。
Intelは顧客への対応に全力を尽くす姿勢を示しており、現在も不安定性の問題を抱えている顧客にはIntelカスタマーサポートへの連絡を呼びかけている。
しかし、この問題はまだ完全には解決していない。高電圧による影響で、クラッシュには至っていない物の、チップの一部は劣化が進行し、すでに性能が低下している可能性がある。多くのユーザーが最適な安定性を維持するため、プロセッサのクロック周波数を抑えることや電圧を低下させる措置をとっており、標準設定に戻してもクラッシュが発生する状況だ。Intelがこれらの影響を受けたユーザーに対して別の解決策を提供するかどうかは、現時点では不明である。
この問題の影響は広範囲に及んでおり、エンドユーザーだけでなく、大小のOEMメーカーにも不安を与えていた。Intelの今回の発表は、長引く不確実性に終止符を打つことを目的としているが、完全な解決にはまだ時間がかかりそうだ。
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