Intelの「Arrow Lake-S」CPUシリーズが、現行のRaptor Lakeと比較して大幅な性能向上と消費電力削減を実現する見込みであることが明らかになった。中国で開催されたIntelとASUSの共同イベントで、次世代CPUの詳細が一部公開されたようだが、このイベントで明らかになった情報によると、Arrow LakeはRaptor Lakeより少なくとも100W低い消費電力で動作し、高クロック周波数を維持しつつ、安定性の問題も解決されるようだ。
Arrow Lake-Sは効率性が高まり“強力”な性能になる
IntelのArrow Lake-S CPUは「Core Ultra 200」シリーズとして登場する予定で、現行のRaptor Lake世代と比較して著しい性能向上が期待されている。具体的な性能数値は明らかにされていないものの、Intelは「間違いなく強力」と表現している。
Intelが中国で開催したAsusとの共同イベントでは以下の様に言及されてるようだ。
本日のIntel x ASUSカンファレンスの概要は
- 新世代CPUの消費電力は前年比で少なくとも100W下がり、メイン周波数は高いまま。 プロセス更新後、以前の過電圧問題は発生せず、安定性が保証される。
- BIOSを更新しても、ターボ周波数能力に影響せず、Intelの公称性能を達成できる。 箱入りのCPUは元の3年保証を基本に2年間延長される。
- 新世代の性能は当分秘密にしておくが、間違いなく強力だ。
- Intelの新しいWitchシリーズのグラフィックカードは年末に発売され、性能は大幅に向上する。
- ASUSのマザーボードはすごい、今後はAYWシリーズに注目してもいい
最も注目すべき点は、Arrow Lake-Sが「少なくとも100W」の消費電力削減を実現する見込みであることだ。これは、300W近い電力を消費する現行のRaptor Lake CPUと比較すると、大幅な改善といえる。にもかかわらず、高い動作周波数は維持されるとのことで、最上位モデルのCore Ultra 9 285Kは5.7GHzに達する可能性があるという噂も出ている。こうした改善は、先日明らかになったArrow Lake-Sの大きなコア構成の変更も関係している可能性もありそうだ。
さらに、Intelは新しい製造プロセスにより、Raptor Lakeで問題となった過電圧の問題が解消され、安定性が保証されると述べている。これは、13世代および14世代のCPUで発生した安定性の問題や、一部のCPUが永久的に劣化してしまう事態を受けての対応と見られる。
なお、Arrow Lake CPUの発売は2024年10月頃と予想されており、Intelはこの新世代のCPUで顧客の信頼回復を図る必要がある。消費者向けデスクトップCPU市場での競争力を維持するためにも、これらの約束を確実に実現することが求められている。
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