Intelの次世代CPUロードマップに大きな変更が加わる可能性が浮上した。最新の情報によると、デスクトップ向けにはNova Lake-S、モバイル向けにはPanther Lakeが採用される見込みだ。これにより、Intelのプラットフォーム戦略が新たな局面を迎えることになりそうだ。
Intelの次世代CPUラインナップはデスクトップとモバイルで分岐か
情報筋によれば、IntelはデスクトップCPUの次世代モデルとしてNova Lake-Sを投入する計画だという。これはArrow Lake-Sの後継となるモデルだ。一方、当初デスクトップ向けにも展開されるとみられていたPanther Lakeは、モバイル専用のラインナップになる可能性が高いようだ。
こうした戦略の変更により、IntelのCPUラインナップは更に複雑化し混迷を極めそうだ。かつてIntelは、デスクトップからモバイルまで同一アーキテクチャを展開する戦略を取っていたが、Tiger Lake世代からその方針に変化が見られるようになった。Tiger Lakeがモバイルプラットフォームをターゲットとする一方、Rocket Lakeがデスクトップ向けにアーキテクチャを微調整したモデルとして登場したのだ。
Alder LakeおよびRaptor Lake世代では再びラインナップが簡素化されたものの、Meteor Lakeの登場により再び複雑化の兆しが見え始めた。当初Meteor Lakeはデスクトップ向けにも展開される予定だったが、最終的にはモバイル専用モデルとしてリリースされることになった。
現在、Meteor Lakeは15-45W帯のモバイルセグメントをカバーしているが、ハイエンドノートPCや一般的なデスクトップPC向けには依然としてRaptor Lakeが主力モデルとなっている。
次世代モデルについては、2024年に薄型軽量なモバイル「AI PC」向けのLunar Lake CPUがリリースされる予定だ。その後、Arrow Lakeがデスクトップ(Arrow Lake-S)およびノートPC(Arrow Lake-H)の主力モデルとして展開される見込みだ。
Panther Lake CPUについては、モバイルセグメントを広くカバーする製品になるとみられている。一方、デスクトップ向けには2026年頃にNova Lake-Sが投入される可能性が高い。ただし、Arrow LakeからNova Lakeへの移行期間中に、Arrow Lakeの改良版が中間的なソリューションとしてリリースされる可能性も否定できない。
Nova Lake CPUの詳細については現時点で情報が限られているが、製造プロセスについてはTSMCのノードとIntelの14Aプロセス技術の両方が検討されているとの早期の報告がある。また、これらの次世代チップには、コードネーム「Druid」で知られるIntelの将来的なXe4アーキテクチャが採用される可能性がある。
加えて、IntelはArrow Lake CPUで800シリーズおよびLGA 1851という新しいソケットとプラットフォームを導入する予定だ。Nova Lake CPUもこのソケットとの互換性を維持する可能性が高いが、必要に応じて新しいソケットタイプへの移行も考えられる。
一方、IntelのライバルであるAMDは、AM5ソケットの2027年以降までのサポートを既に約束している。このような状況下で、Intelの新たな戦略がPC市場にどのような影響を与えるか、そして同社が大きく飛躍できるのか注目したい。
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コメント一覧 (2件)
タイトルが間違っています。
「デスクトップCPUはLunar Lake-S」→「デスクトップCPUはNova Lake-S」
ご指摘ありがとうございます。早速修正させていただきました。