AMD Zen 5アーキテクチャを採用する次世代のRyzen 9000X3Dプロセッサの発売が、当初の予想よりも遅れる可能性が浮上している。新たな情報によると、AMDはこの高性能ゲーミングCPUの発表を2025年1月のCES(Consumer Electronics Show)まで延期する可能性があるという。この予想外の遅延は、特にZen 5世代の3D V-Cacheプロセッサを待ち望んでいたゲーマーにとって我慢を強いる物だが、別の情報では年内の発売もあり得るとのことで情報は錯綜しているようだ。
Ryzen 9000X3Dの発売は年内か年明けか?
AMDのRyzen 9000シリーズは、その発売自体が段階的かつ複雑なプロセスを経てきた。当初予定されていた発売日の直前にリコールが発生し、Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600Xが先行して発売される一方、フラッグシップモデルのRyzen 9 9950XとRyzen 9 9900Xの発売が遅れるという事態に見舞われた。
さらに、AMDは800シリーズのマザーボードチップセットの発売も分離し、プレミアムチップセットのみを9月下旬に発売する方針を取った。この文脈において、Ryzen 9000X3Dの発売が2025年初頭まで延期されるという噂は、一定の説得力を持つものとなっている。
リーカーのHXL氏は、Ryzen 9000X3Dプロセッサが2024年の発売を見送り、代わりにCES 2025で発表される可能性があると示唆している。この情報はあくまで噂の段階であり、HXL自身も確証を持っていないことを認めているが、2025年1月という発売時期は、AMDの現在の製品展開戦略と整合性があると考えられている。
AMDのDonny Woligroski氏は以前、Tom’s Hardwareとのインタビューで、Ryzen 9000X3Dには「本当にクールなアップデート」が施されると語っていた。このことから、AMDが3D V-Cacheテクノロジーの最適化により多くの時間を必要としている可能性も考えられる。
また、AMDのクライアントビジネスマネージャーであるDavid McAfee氏は、現在のRyzen 9000シリーズが抱える技術的な課題、特にデュアルCCDプロセッサからシングルCCDモデルへの切り替え時に発生するWindowsの再インストール問題に取り組んでいることを明らかにしている。この問題の解決が、Ryzen 9000X3Dの発売時期に影響を与えている可能性も否定できない。
CES 2025での発表が実現すれば、AMDにとっては新製品を世界に向けて効果的にアピールする絶好の機会となる。B850およびB840シリーズのマザーボードも同時期に発表される予定であり、AMDはこれらの新製品を一括して紹介することで、より大きなインパクトを与えることができるだろう。
この延期はゲーマーや技術愛好家にとっては残念なお知らせだが、Ryzen 5000シリーズからRyzen 7 5800X3Dまでの間隔が約18ヶ月だったことを考えると、Ryzen 9000X3Dの発売が2025年初頭まで延びることはそこまで“遅い”物とは言えないだろう。
だが、Wccftechが独自に情報筋から得た情報によれば、Zen 5「Ryzen 9000X3D」シリーズチップの一つは年内に発売される可能性があるという。
AMDは公式にはRyzen 9000X3Dの発売時期について明言を避けており、これらの情報はあくまで噂の域を出ない。しかし、情報はどうやら錯綜しているようで、今後の展開を注視する必要がありそうだ。
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