MicrosoftのAIアシスタント機能「Copilot+」が、Intel・AMD搭載PCにも提供されることが明らかになった。これまでQualcommのSnapdragonプロセッサ搭載PCに限定されていた同機能が、2024年11月からIntelとAMDの最新プロセッサを搭載したPCでも利用可能になり、Copilot+の対応デバイスが大幅に拡大することが期待できそうだ。
Copilot+、対応プロセッサの拡大へ
Microsoftはブログの中で、Intelの、次世代モバイルプロセッサ「Lunar Lake」(正式名称:Intel Core Ultra 200Vシリーズ)搭載PCと、AMDのRyzen AI 300シリーズチップ搭載PCが2,024年11月にCopilot+に対応すると明らかにした。
Copilot+は、PCに搭載された専用のAIプロセッシングユニット(NPU)を活用し、クラウドに依存せずにAI機能をローカルで実行する。この機能を利用するには、40TOPS(1秒あたり40兆回の演算)以上の性能を持つNPUが必要とされている。そのため、第1世代のIntel Core Ultraプロセッサ搭載PCは、NPUの性能不足により今回の対象外となっている。
Copilot+の主要機能と今後の展開
Copilot+は、ローカルで動作するAI機能の集合体であり、以下のような特徴的な機能を提供する:
- リアルタイム翻訳付きライブキャプション(現在は英語のみ)
- 高度なWindows Studio Effects(フィルターや視線接触機能など)
- Paintアプリ内のCocreator機能
- 写真アプリ内の画像生成機能とImage Restyler
これらの機能は、クラウドに依存せずにデバイス上で実行されるため、インターネット接続がなくても利用可能で、消費電力も抑えられるという利点がある。
NVIDIAに関しては、2024年前半のComputexでRTX 4000シリーズGPU搭載ノートPCへのCopilot+対応が発表されていたが、具体的な時期は明らかにされていなかった。今回のIntelとAMDの発表を受け、NVIDIAも2024年内にCopilot+対応を開始する可能性が高まっている。
これらの新機能は、Windows 11バージョン24H2のアップデートと共に提供される予定だ。このアップデートには、Arm版Windows向けの最適化や、その他多くの改善が含まれている。なお、Windows Insiderプログラムに参加することで、11月の正式リリース前に新機能を試すことができる可能性もある。
さらに、現在開発中の「Recall」機能も注目を集めている。これはPCでの作業内容を記録し、検索可能にする機能だが、セキュリティ上の懸念から実装が遅れている。Microsoftは10月からWindows Insiderを対象に提供を開始し、一般ユーザーへの展開時期は後日発表するとしている。
この一連の発表により、MicrosoftのAI戦略が本格的に動き出したことが伺える。今後、より多くのユーザーがAI機能の恩恵を受けられるようになることで、PCの使用体験が大きく変わる可能性が期待出来そうだ。
Source
- Windows Experience Blog: Copilot+ PCs expand availability with new AMD and Intel silicon
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