AMDが、32GBの大容量GDDR6メモリを搭載したRDNA 4世代の「Radeon RX 9070 XT」グラフィックボードを開発中であるとの噂が浮上している。この新GPUは、ゲーミングだけでなく、AI推論市場もターゲットにしており、2025年前半の発売が予定されているようだ。
大容量VRAMでAI市場を狙うRadeon RX 9070 XT
中国の技術フォーラムChiphellに投稿された情報によると、AMDはRDNA 4 GPUアーキテクチャを採用した、大容量メモリ搭載の製品を計画しているという。現在、Radeon RX 9070 XTおよびRX 9070は16GB GDDR6メモリを搭載しているが、この噂が事実であれば、32GBメモリを搭載したRadeon RX 9070シリーズが登場する可能性がある。
この大容量メモリは、ゲーム市場向けというよりも、AI演算や推論市場をターゲットにしたものと推測される。現在のGDDR6メモリの仕様を考慮すると、32GBのRadeon RX 9070シリーズは、16個のメモリチップを搭載し、PCBの両面にGDDR6メモリが配置されると予想される。
2025年前半に登場か?Computexでの発表に期待
Chiphellの投稿では、AMDが2025年前半に関連製品を発売する計画であるとされている。この時期を考えると、5月中旬から下旬に台北で開催されるComputexが発表の場として有力視される。ただし、現時点ではRadeon RX 9070シリーズの価格設定も未定な段階であり、今後の動向に注目が集まる。
ゲーミングとAIの橋渡しとなる可能性
この32GB版Radeon RX 9070 XTは、ゲーム用GPUとワークステーションクラスGPUの中間に位置する製品となる可能性がある。これにより、高価なプロフェッショナル向けソリューションに投資することなく、追加のVRAMを必要とするユーザーに新たな選択肢を提供する。
近年のAAAゲームタイトルでは、ウルトラ設定で16GB以上のVRAMを要求するものも登場しており、VRAM需要は増加傾向にある。また、AIや機械学習アプリケーション、特にAIを活用した画像生成や大規模言語モデルにおいても、VRAMの増加は大きなメリットをもたらす。
RTX 5090対抗となるか?RDNA 4世代のハイエンドGPU戦略
AMDのRDNA 4アーキテクチャGPUについては、これまでミドルレンジGPUが中心になるとの見方が強かった。しかし、今回の32GB VRAM搭載GPUの噂は、AMDがハイエンドGPU市場への再挑戦を視野に入れている可能性を示すものとして、注目される。
NotebookCheckは、この噂のGPUがNVIDIAのハイエンドGPU、RTX 5090への対抗馬となる可能性に言及している。RTX 5090も32GBのVRAMを搭載しており、もしAMDが同様の容量を持つGPUを投入すれば、ハイエンドGPU市場における競争が激化するかもしれない。
もっとも、AMDがこのモデルをNVIDIA RTX 5090と競合するように価格設定するのか、あるいは特定のワークロード向けのニッチ製品として位置づけるのかは、現時点では不明だ。
AMDは、RDNA 4世代の次、UDNAアーキテクチャでRDNAとCDNAを統合すると噂されている。UDNAはAMDにハイエンドゲーミングGPUスペクトルへの復帰のためのクリーンな基盤を与える可能性があるとも指摘されており、RDNA 4世代がミドルレンジ中心となる場合、ハイエンドGPUへの本格的な挑戦はUDNA世代以降となるのかもしれない。
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