AMDは次世代GPU「Radeon RX 9070」シリーズで、NVIDIAのGeForce RTX 5070等のミドルレンジ製品に対抗する積極的な価格戦略を展開する可能性がある。複数のリーク情報や小売店のリストから、RX 9070シリーズの価格設定と、それによる市場への影響が見えてきた。
魅力的な価格設定:RX 9070 XTは599ドル、RX 9070は499ドル?
リークによると、AMDはRadeon RX 9070 XTの希望小売価格(MSRP)を599ドル、RX 9070を499ドルに設定する可能性がありそうだ。これは、NVIDIAのGeForce RTX 5070 Ti(予想メーカー希望小売価格 749ドル)およびRTX 5070(予想メーカー希望小売価格 549ドル)を大幅に下回る価格設定である。
カナダの小売業者、Canada ComputersのWebサイトに掲載された情報(現在は削除済み)によると、PowerColorとXFXのカスタムモデルの価格が明らかになった。これらの価格は、AMDの推奨価格に近いものから、プレミアム価格が上乗せされたものまで様々だ。例えば、PowerColorのRadeon RX 9070 XT Reaperは約697ドル、RX 9070 Reaperは約586ドルと、AMDのMSRPに近い価格設定である。
さらに、AMDは供給面でも優位に立つ可能性がある。イスラエルのショップなど、一部の販売店ではすでにRX 9070シリーズの在庫を確保し始めているという情報もある。NVIDIAのRTX 5080やRTX 5090が品薄による価格高騰に見舞われている現状とは対照的だ。
これらが事実であれば、AMDはミドルレンジGPU市場で大きな競争優位性を確立する可能性がある。
性能も期待大:ラスター性能でNVIDIAを上回る?
RX 9070 XTは、Navi 48 GPUをベースとし、4,096個のコア、2.97GHzのブーストクロック、16GBのGDDR6 VRAM(256ビットバス、640GB/sのメモリ帯域幅)を搭載すると予想されている。RX 9070も16GBのVRAMを搭載する見込みだ。
フランス語の情報源によると、9070 XTは64 CU (Compute Units)、4096 SP (Stream Processors) で、GDDR6 16GB (256-bit, 20 Gbps) を搭載。GPUクロックはモデルによって2.8GHzから3.1GHzでTDPは260Wから330W。一方、RX 9070は、56 CU、3584 SPで、GDDR6 16GB (256-bit, 20 Gbps) を搭載。GPUクロックは2.21GHzから2.7GHzで、TDPは260Wとなる見込みである。
価格だけでなく、性能面でもRX 9070シリーズは期待できそうだ。リーク情報によると、RX 9070 XTは、4K解像度でのラスター性能において、RTX 5070 Tiを約15%上回るとされている。また、RX 9070もRTX 5070を約12%上回る性能を持つという。
発売時期:2025年3月6日発売か?
当初、RX 9070シリーズは2025年1月末に発売されると予想されていたが、最新の情報では3月6日に発売される可能性が高い。AMDは2月下旬に詳細な技術情報と価格を発表すると見られている。
XenoSpectrum’s Take
AMDのRadeon RX 9070シリーズは、価格と性能の両面でNVIDIAのミッドレンジGPUに ശക്തな挑戦を仕掛けることになるだろう。積極的な価格設定と、ラスター性能における優位性(リーク情報に基づく)は、ゲーマーにとって魅力的な選択肢となるはずだ。
ただし、最終的な評価は、実際の製品の性能と、競合製品との比較によって決まる。AMDが十分な供給量を確保し、価格を安定させることができるかどうかも、成功の鍵を握るだろう。
AMDがミドルレンジGPU市場でシェアを拡大し、競争を活性化させることを期待したい。
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