AMDのRyzen 9000シリーズ「Zen 5」およびRyzen 7000シリーズ「Zen 4」CPUが、最新のWindows 11 24H2アップデートにより驚異的な性能向上を達成した。当初、Ryzen 9000シリーズの発売時には期待されたほどの性能が出ていないと批判を受けていたが、このアップデートにより状況が一変。ゲーミング性能を中心に大幅な改善が見られ、ユーザーとしては歓迎すべき状況のようだ。
Windows 11 24H2によるパフォーマンス向上の詳細
Hardware Unboxedの検証によると、Ryzen 9000「Zen 5」CPUは多くのゲームタイトルで二桁のパフォーマンス向上を示した。これは通常、世代間のアップグレードでしか見られない規模の改善である。具体的には:
- 平均して約10%の性能向上が40以上のゲームで確認された。
- 一部のゲームでは20%を超える性能向上が見られた。
- 極端なケースでは30%近い性能向上を記録したゲームもあった。
とのことだ。
注目すべきは、この性能向上がRyzen 9000シリーズだけでなく、前世代のRyzen 7000「Zen 4」シリーズにも及んでいることだろう。
これによって皮肉なことに、Windows 11 24H2アップデート後は、同等のZen 5モデルとZen 4モデルの間で性能差が、AMDが当初主張していた程には見られなくなるという状況にもなりそうだ。
この劇的な改善の背景には、Windows 11 24H2アップデートによるブランチ予測機能の強化がある。AMDによれば、この機能強化により、Zen 5アーキテクチャの能力をより効果的に活用できるようになったという。
しかし、全てのゲームで同様の改善が見られるわけではない。例えばCounter-Strike 2では、わずか2%の性能向上にとどまっている。それでも、全体的には一貫した性能改善が確認されており、ユーザーにとっては朗報と言える。
このアップデートにより、AMDは当初の性能公表値と実際の性能の乖離という課題を克服し、Ryzen 9000シリーズの評価を大きく改善させることに成功した。同時に、既存のRyzen 7000シリーズユーザーにも恩恵をもたらしている点は注目に値する。
今回の改善は、現代のコンピューティングにおけるハードウェアの能力とソフトウェアの最適化の複雑な相互作用を改めて浮き彫りにする物だ。Windows 11 24H2アップデートのリリースに伴い、多くのユーザーが幅広いゲームタイトルでパフォーマンス向上を体験できることになる。
なお、このアップデートによる恩恵はAMD製CPUに限らず、Intel製CPUでもわずかながら性能向上が確認されている。今後、10月に予定されているIntelのArrow Lake-S CPUの発売も控えており、デスクトップCPU市場の競争がさらに激化することが予想される。
Sources
- Hardware Unboxed: AMD Ryzen 7 9700X vs. 7700X: 40+ Game Benchmark [23H2 vs. 24H2]
コメント