AMDの次世代プロセッサ、Ryzen 9000X3Dシリーズの存在が、ASUSのWebサイトを通じて意図せずリークされた可能性があるようだ。これまでにもRyzen 9000X3Dシリーズの噂はいくつか報告されてきたが、今回の情報は、AMDのZen 5アーキテクチャを採用し、3D V-Cacheテクノロジーを搭載する新たなCPUラインナップの存在に関する噂を補完する物になるかも知れない。
ASUSのWebサイトから浮かび上がる新製品の存在
ASUSが最近発表したX870EおよびX870チップセット搭載マザーボードの紹介ページのソースコードに、Ryzen 9000X3Dに関する記述が発見された。この発見は、ハードウェア情報に詳しいMomomo_US氏によって最初に報告され、その後ComputerBaseが詳細な調査を行った。
ASUSのマイクロサイトのページ説明には、「ASUS AMD X870E & X870マザーボードは、AMD Ryzen™ 9000シリーズX3Dプロセッサの性能を最大限に引き出すように設計されており、高度なAI PCに対応しています」という記述が確認された。この説明文は、新しいマザーボードがPCIe 5.0、DDR5サポート、USB4 40Gbps Type-C、WiFi 7など、最新のテクノロジーを搭載していることも示している。
この記述は、AMDのパートナーであるASUSが、近い将来登場する製品について確実な情報を持っていることを示す物と言えるだろう。Ryzen 9000X3D CPUは、追加のL3キャッシュメモリを搭載し、特にゲーミングパフォーマンスの大幅な向上が期待されている。
現時点でAMDは公式にRyzen 9000X3Dシリーズについて言及していないが、過去の世代でも3D V-Cacheテクノロジーを採用したCPUをリリースしてきた実績がある。Zen 3およびZen 4世代のCPUラインナップでは、現在も新しい3D CPUがリリースされ続けている。最近では、Ryzen 5 5500X3DがEEC(ユーラシア経済委員会)の文書に登場し、Ryzen 5 7600X3Dの準備も進められているという情報がリークされている。
情報筋によると、Ryzen 9000X3D CPUは10月頃のリリースが予想されており、これはAMDの800シリーズマザーボードの発売時期とも一致する。また、これらのCPUは完全なオーバークロッキングサポートを提供し、既存のラインナップと同様のキャッシュサイズを持つ一方で、Zen 5のIPC(命令あたりのサイクル数)向上と組み合わさることで、さらなる性能向上が期待されている。
3D V-Cacheチップレットを搭載することで、L3キャッシュが少なくとも64MB増加すると予想されている。これにより、例えばRyzen 9600XやRyzen 9700Xなどのプロセッサは、96MBのL3キャッシュを持つことになる。ただし、この特殊な積層プロセスにより、クロック速度が低下する可能性もある。X3Dチップは通常、電力効率に優れ、より少ない電力消費でゲーミングパフォーマンスを向上させることができる。
Ryzen 9000X3Dチップが市場で成功を収めるためには、既存のRyzen 7800X3Dや今後登場するRyzen 7600X3Dと比較して、大幅な性能向上を示す必要がある。AMDがこの新世代のプロセッサでどのような革新を実現するかに期待が集まっている。
さらに、ComputerBaseによると、ASUSはGamescom 2024に合わせてRyzen 9000X3Dの発表を計画していた可能性があるという。AMDは8月23日にGamescom 2024でAMD Gaming Festival 2024を開催する予定であり、このイベントでゲーマー向けの新しいX3Dプロセッサを発表することは理にかなっている。
しかし、Ryzen 9000シリーズの通常版が予定より遅れてリリースされたことを考慮すると、X3D版の発表計画も変更された可能性がある。それでもなお、ASUSのWebサイトにRyzen 9000X3Dへの言及が残されていたことは、これらのプロセッサが近い将来登場することを強く示しているとも言えるだろう。
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