AMDが次世代APU「Krackan Point」の詳細情報を明らかにした。Zen 5アーキテクチャを採用し、2025年前半のリリースを予定しているこの新型APUは、ノートPC市場でIntelのLunar Lake、そしてその後に登場するPanther Lakeと競合することになる。
AMDの次世代APUラインナップにKrackan Pointが登場
AMDは最新のRyzen AIソフトウェア1.2において、次世代APUラインナップの一部として「Krackan Point」を正式にリストアップした。このAPUは、高性能なStrix HaloとともにZen 5アーキテクチャを採用し、AMDの次世代モバイルプロセッサ戦略の重要な一角を担うことが期待されている。
Krackan PointはHawk Pointの後継として位置付けられており、15W-45WのTDP範囲で動作する。このAPUは、ノートPCやハンドヘルドゲーミングデバイスなど、電力効率が重視される製品セグメントをターゲットとしている。
特筆すべきは、Krackan PointがZen 5アーキテクチャに加え、RDNA 3.5グラフィックスを統合している点だ。これにより、前世代のRDNA 3 iGPUと比較して大幅な性能向上が見込まれる。さらに、XDNA 2 “Ryzen AI” NPUを搭載し、最大50-55 TOPSのAI処理性能を実現する。
Krackan Pointの具体的な仕様についてだが、まず、プロセッサ構成は最大8コアを採用し、4つのZen 5コアと4つのZen 5cコアのハイブリッド設計となっている。これにより、高性能と電力効率の両立を実現している。グラフィックス性能については、最大8基のRDNA 3.5 Compute Unitsを搭載する。
メモリサポートに関しては、LPDDR5XとDDR5の両方に対応する。これにより、様々な製品セグメントに柔軟に対応できる。また、FP8ソケットを採用しており、Strix PointやPhoenix Point APUと同じプラットフォームで使用できる。
AIアクセラレーションについては、XDNA 2エンジンを統合し、最大50 AI TOPSの処理性能を実現する。これは、機械学習タスクや画像処理などのAI関連アプリケーションで高いパフォーマンスを発揮することが期待される。
Krackan Pointの発売時期は2025年前半が予定されている。これは、同時期に発売予定のStrix HaloやFire Range CPUと並んで、AMDの次世代モバイルプロセッサラインナップを形成することになる。
特に、ハンドヘルドゲーミング市場において、Krackan PointはSteam Deckで使用されているVan Gogh APUの後継として注目されている。RDNA 3.5グラフィックスの採用により、ゲーミング性能の大幅な向上が期待できる。
Krackan PointはAMDの次世代モバイルプロセッサ戦略において重要な位置を占めることが予想される。高性能と電力効率を両立し、AI処理能力も強化されたこのAPUが、ノートPCやハンドヘルドゲーミングデバイスの性能をどこまで引き上げるか、今後の展開に注目が集まる。
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