AMDの次世代プロセッサー、Ryzen 7 9800X3Dに関する新たな情報が明らかになった。リーカーのMoore’s Law is Deadによるマーケティング資料のリークによれば、このプロセッサーは「エリートゲーミング向け究極のプロセッサー」として位置づけられており、「最高」や「究極のゲーミングプロセッサー」といった表現が使用されているという。
Ryzen 7 9800X3Dは2024年の年末商戦に
Ryzen 7 9800X3Dは2024年の製品ラインナップに含まれており、10月にも発表され、年末商戦に投入されることが以前の噂では示唆されている。一方、より上位モデルとなるRyzen 9 9900X3DとRyzen 9 9950X3Dは2024年の製品リストには含まれていないことから、CES 2025での発表が濃厚のようだ。
実際に、米国の一部店舗ではRyzen 7 7800X3Dの在庫がなくなりはじめており、次世代モデルの登場が近い可能性が囁かれている。
新プロセッサーの特徴として、総キャッシュ容量が104MBに達することが挙げられる。これは、32MB のL3キャッシュに64MB の3D V-Cacheを組み合わせた96MB のL3キャッシュ、8MB のL2キャッシュ、512KB のL1キャッシュで構成されている。この大容量キャッシュは、特にゲーミング性能の向上に寄与すると考えられる。
一方の、Ryzen 9 9900X3DとRyzen 9 9950X3Dは2つのCCDを搭載したプロセッサだが、それぞれのCCDに3D V-Cacheが搭載されており、キャッシュ容量は驚異の200MB超えという情報もリークされており、ゲーミングのみならず、マルチメディアタスクで比類なきパフォーマンスを誇るモンスタープロセッサーになりそうだ。
Ryzen 7 9800X3Dのマーケティング資料から見えること
Ryzen 7 9800X3Dの最も注目すべき点の一つは、クロック周波数の向上だ。AMDのマーケティング資料には、このプロセッサーが「より高い周波数のために設計された」と記載されているという。これは、基本クロックとブーストクロックの両方が向上する可能性を示唆している。
また、前世代のRyzen 7 7800X3Dと比較して、オーバークロックの余地が増えていることも報告されている。これまでの3D V-Cache搭載モデルでは、積層されたキャッシュの保護のため、クロック速度が制限されていた。しかし、新モデルではこの制限が緩和され、より高いクロック速度での動作が可能になると見られている。
AMDは、Ryzen 7 9800X3Dのゲーミング性能を強調するマーケティング戦略を展開する模様だ。『Call of Duty: Black Ops 6』とのマーケティング提携が報告されており、Radeon RX 7000シリーズのグラフィックスカードとのバンドルも「完璧な組み合わせ」として紹介される予定だという。
興味深いことに、2024年の製品情報にはRadeon RX 8000シリーズに関する言及がないとされている。これは、AMDが当面の間、現行のRX 7000シリーズでゲーミング市場に注力する意向を示唆している可能性がある。
AMD Ryzen 7 9800X3Dの新情報は、ハイエンドゲーミングPC市場に大きな影響を与える可能性がある。大容量キャッシュとクロック速度の向上は、ゲーミング性能の飛躍的な改善につながるだろう。特に、これまで3D V-Cache搭載モデルの弱点とされていたクロック周波数の制限が緩和されることは、多くのゲーマーにとって朗報となるはずだ。
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