AppleのiOS 18はAI機能の追加が主な焦点となると見られているが、具体的にどのような機能をAIで実現するのか気になるところだ。その全容は6月に行われるAppleの開発者会議WWDCで明らかになるだろうが、BloombergのApple記者Mark Gurman氏は内部関係者から手に入れた情報などを統合し、Appleが次のiOSで提供するであろう機能をニュースレターで報告している。
AIを活用した数々の新機能が登場
Appleは、OSにAIチャットボット機能を統合すべく、OpenAIとの提携を進めていることが報じられているが、それ以外にもローカルデバイスで実行できうAI機能の強化も進めていると言われている。
このAI処理をローカルかクラウドか、どちらで処理するかを判断する新たなソフトウェアがiOS 18(iPadOS 18)及びmacOS 15には搭載されるようだ。2023年以降に発売されたiPhone、iPad、MacはオンデバイスでのAI処理が行われる一方で、それ以外の処理はApple独自のAIデータセンターで処理が行われるという。
こうしたAI機能によってAppleの既存の機能を強化する取り組みは、社内で「Project Greymatter」と呼ばれているという。
そして肝心のAI機能に関しては、今回Gurman氏が以下の項目をあげている:
- フォトレタッチ
- ボイスメモ書き起こし
- Eメールやメッセージへの返信を提案
- ユーザーのメッセージの内容に基づいて自動生成される絵文字。既存のカタログの枠を超え、あらゆる場面で使えるまったく新しい絵文字が提供される。
- SafariのWeb検索機能や要約機能、「AI消しゴム」機能
- Spotlightでの検索がより速く、より確実に。
- より自然なSiriとの対話。
- Apple Watchのためにデザインされた、「外出先でのタスク」に最適化されたSiriの進化版。
- 見逃した通知や個々のメッセージ、Webページ、ニュース記事、書類、メモなどをスマートに再表示。
- Xcode用のデベロッパツール。
今回大きく話題となりそうなのがAI生成絵文字だろう。あらかじめ用意されているすべての絵文字が自分の表したい気持ちを表現できるわけではない。AIによる生成絵文字はこれを改善し、表現の幅を大きく広げる可能性がある。
また、iOS 18にはAI機能以外にも様々な改善が行われるとみられている。一例としては、アプリアイコンの色を変更し、自由に移動できる機能だ。2007年以降変更のないグリッドレイアウトも置き換わり、例えば画面の下にだけアイコンを配置すると言ったことも可能になるという。
ただし、AppleのAIへの取り組みはプライバシー保護への取り組みと干渉する部分も出てくる。これまでAppleはオンデバイスAI処理の利点と、データをより安全かつセキュアに保つ方法を売り込んできたが、クラウド処理を開始する事は大きな方針転換であり、改めてプライバシー保護への取り組みについて、ユーザーに説明する必要が出てくるだろう。
また、AppleはOpenAIにのみ依存するのではなく、GoogleのGeminiや、中国語圏においてはBaiduのErnieをiOSに採用する事も協議を進めているという。
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