
サイエンス
中国が石炭を「燃やさず」発電する装置を開発:CO₂ゼロ、効率40%超の電気化学セルが示す本当の意味
中国の研究チームが、石炭を燃焼させずに直接発電し、CO₂を排出しない「零炭素排出直接石炭燃料電池(ZC-DCFC)」の開発成果を発表した。これは従来の石炭発電の熱力学的限界を克服する画期的な技術だが、実用化には多大な課題が残されている。この技術は、中国の脱炭素戦略と国際交渉におけるバーゲニングカードとなり、グローバル・サウスのエネルギー政策に新たな選択肢を提供する可能性を秘めている。
別名: Zero-Carbon Direct Coal Fuel Cell, 零炭素排出直接石炭燃料電池, ZC-DCFC
ZC-DCFC(Zero-Carbon Direct Coal Fuel Cell)は、中国の研究チームが開発した技術で、石炭を燃焼させることなく電気化学反応によって直接電力を生成します。このプロセスではCO₂が排出されず、生成されたCO₂は合成ガスへの触媒変換や炭酸水素ナトリウムへの鉱物化によって回収・固定化されます。従来の石炭火力発電が抱える熱力学的な非効率性を回避し、理論効率は40%を超える水準に達するとされています。2018年から開発が進められ、2026年に学術誌『Energy Reviews』で発表されました。