サイエンス
スパコンで「10の42乗年」かかる計算を25マイクロ秒で。中国の光量子コンピュータ「九章4号」が示した異次元の性能
現代のスーパーコンピュータでは計算不可能な量子力学的な現象を、中国科学技術大学の研究チームが光量子コンピュータ「九章4号」で解決した。この装置は、光子の干渉を利用し、古典計算機で10の42乗年かかる計算をわずか25マイクロ秒で完了させ、既存のシリコンベースの計算限界を突破した。
別名: Gaussian Boson Sampling, GBS
ガウス・ボソン・サンプリング(GBS)は、量子コンピューターの性能を評価するために考案された計算課題の一つである。複数の光子(ボース粒子)を複雑な光学ネットワーク(干渉計)に注入し、出力側で検出される光子の分布パターンをサンプリングする。光子の波としての干渉効果により、古典的なスーパーコンピュータでこの分布をシミュレーションしようとすると、計算量が指数関数的に増大し、事実上計算不可能になる。このため、GBSを高速に解くことは、量子コンピューターが特定のタスクで古典計算機を圧倒する「量子優位性」を示すための重要なベンチマークとなっている。