サイエンス
数百万の量子ビットは不要になる? 暗号解読アルゴリズムの前提を覆す中性原子のブレイクスルー
スイスのチューリッヒ工科大学の研究チームは、量子ビット間の情報交換を担うSWAPゲートにおいて、レーザーの揺らぎに左右されない「幾何学的位相」を利用した新技術を開発した。この技術は、中性原子プラットフォームの量子コンピュータにおける演算精度を飛躍的に向上させ、エラー耐性の高い量子スーパーコンピュータ実現への道を開くものである。
別名: アハラノフ=アナンダン位相, Geometric Phase
量子力学において、系が状態空間内で閉じたループを描いて変化した際、その経路の幾何学的な形状(立体角)のみに依存して現れる位相の変化。道中の速度や時間の経過に依存する「動的位相」とは異なり、経路さえ正しければ途中の揺らぎの影響を受けないという性質を持つ。このため、レーザー強度の不安定さなどの環境ノイズに対して極めて堅牢な量子ゲートを構築するための物理的基盤として期待されている。