サイエンス
巨大アンテナはもう不要? 米陸軍が開発した「一点」で波の方向を測る量子センサーの衝撃
米国防総省の研究チームは、リュードベリ原子を用いた量子センサーにより、空間のわずか一点で電磁波の到来方向を特定する技術を開発した。波長に依存しない小型のガラスセルで電場の軌跡を精密に測定でき、従来の巨大なアンテナ群を不要にする画期的な成果である。
別名: Rydberg Atom, リュードベリ原子
電子が非常に高いエネルギー状態に励起され、原子核から遠い軌道を回っている原子。通常の原子に比べてサイズが数千倍大きく、巨大な電気双極子モーメントを持つため、原子間の長距離相互作用(ファンデルワールス力)を精密に制御できる。量子シミュレータのプラットフォームとして注目されている。
米国防総省の研究チームは、リュードベリ原子を用いた量子センサーにより、空間のわずか一点で電磁波の到来方向を特定する技術を開発した。波長に依存しない小型のガラスセルで電場の軌跡を精密に測定でき、従来の巨大なアンテナ群を不要にする画期的な成果である。
中国の研究チームが、リュードベリ原子のリング配列を用いて「偽真空崩壊」という宇宙終焉のシナリオを量子シミュレーションで再現した。この実験は、宇宙の物理法則が書き換わる現象を微視的な量子系で模倣し、崩壊速度が場の強さに対して指数関数的に減少するという量子場理論の予測と一致することを示した。