サイエンス
夢の「リチウム硫黄電池」の寿命問題がグラフェン一枚で解決:軽量・長寿命・大容量で安価という夢のバッテリー実用化に大きく前進
次世代バッテリーの長年の夢であり、同時に悪夢でもあった「リチウム硫黄電池」。その実用化を阻んできた致命的な欠陥を、わずか原子一枚の厚さしかないグラフェンの「網」が解決する可能性が示された。フロリダ大学、パデュー大学、ヴァ […]
別名: Polysulfide shuttle effect
ポリ硫化物シャトル効果は、リチウム硫黄電池(LSB)の実用化を阻む主要な要因の一つである。電池の放電過程において、正極の硫黄がリチウムと反応して中間生成物であるリチウムポリ硫化物(LiPS)を形成するが、これが電解液に溶解して負極側へ拡散し、リチウム金属と不要な反応を起こす現象を指す。この反応により負極表面に不純物が堆積し、リチウムイオンの移動が妨げられる。さらに、これらの物質が正極と負極の間をシャトルのように往復し続けることで、自己放電や急激な容量低下、充放電効率の著しい悪化を招く。この現象をいかに抑制するかが、LSBの長寿命化における最大の技術的課題となっている。