サイエンス
磁力がないのに情報が読める? 東大らが予測した「反強磁性メモリ」の常識を覆すメカニズム
東京大学の共同研究チームは、非共線型反強磁性体Mn3Snと酸化マグネシウムを積層した磁気トンネル接合において、運動量空間に生じる「幻の磁極」を利用することで、最大1000%の巨大なトンネル磁気抵抗効果を理論的に証明した。これは、外部に磁場を漏らさない反強磁性体から磁気情報を読み出すという長年の課題を解決し、超高速かつ不揮発性の次世代メモリ実現への道を開く画期的な成果である。
原子が正三角形と正六角形を組み合わせた形に配置された二次元格子構造。幾何学的フラストレーションが生じやすく、Mn3Snにおいてはスピンが120度ずつ傾く特異な磁気秩序(逆120度構造)の要因となる。