著名リーカーのKopite7kimi氏によって、NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 5070」シリーズの詳細仕様が明らかになった。Blackwell世代となるRTX 50シリーズのミッドレンジモデルは、メモリ構成の強化と電力効率の最適化に注力している形だ。
RTX 5070シリーズ仕様詳細:Ti版とスタンダード版で明確な差別化
RTX 5070 Tiは、RTX 5080と同じGB203-300-A1ダイを採用し、8,960基のCUDAコア(演算処理ユニット)を実装している。これは前世代のRTX 4070 Tiが持つ7,680基から16%の増強となる。注目すべきはメモリ構成で、256ビットメモリバスを介して16GBのGDDR7メモリを搭載。28Gbpsでの動作により896GB/sという、RTX 4070 Tiを大きく上回るメモリ帯域幅を実現している。電力消費に関しては、前世代の285Wから若干増加となる300Wに設定されており、性能向上に対して比較的抑制的な上昇に留まっている。
一方、標準モデルとなるRTX 5070は、より小型のGB205-300-A1ダイを採用することで、製造コストの最適化を図っている。搭載されるCUDAコアは6,144基と、RTX 4070の5,888基から4%の微増となっている。興味深いのは、前世代でAD104-250(XX104クラス)を採用していた標準モデルが、今世代ではXX105/205クラスのダイに移行している点だ。これはNVIDIAの製品階層戦略の変更を示唆している。メモリ構成については、192ビットバスで接続された12GB GDDR7を採用し、672GB/sのメモリ帯域幅を確保。消費電力は250Wまで引き上げられ、前世代の200Wから25%の増加となった。
さらに注目すべき点として、標準版RTX 5070はPG146とPG147という2種類のボード設計で展開される予定だ。これはAIBパートナー各社に柔軟な製品展開の余地を与えるもので、より多様な冷却ソリューションや基板設計の採用が可能になると予想される。特にPG147は高性能志向のカスタムモデル向けと推測され、オーバークロック性能を重視するユーザー層への対応を強化する狙いがあると考えられる。
GPU | RTX 5070 Ti | RTX 4070 Ti | RTX 5070 | RTX 4070 |
---|---|---|---|---|
GPUダイ | GB203-300-A1 | AD104-400-A1 | GB205-300-A1 | AD104-250-A1 |
CUDAコア | 8960 | 7680 | 6144 | 5888 |
バス幅 | 256-bit | 192-bit | 192-bit | 192-bit |
VRAM容量 | 16GB | 12GB | 12GB | 12GB |
TDP | 300W | 285W | 250W | 200W |
また、両モデル間での仕様差は、特にCUDAコア数において顕著だ。Ti版の8,960基に対し標準版は6,144基と、実に45%もの差が設けられている。これは前世代以上に明確な性能差の創出を狙ったものと解釈でき、価格帯ごとの製品ポジショニングをより明確にする意図が読み取れる。メモリ構成においても、Ti版が16GBという大容量を確保する一方、標準版は12GBを維持しており、用途に応じた選択肢を提供する戦略が見て取れる。
製品展開とマーケティング戦略
両モデルは、RTX 5090およびRTX 5080の発売後、2025年第1四半期に市場投入される見込みだ。注目すべきは、標準版がPG146とPG147という2種類のボードバリアントで展開される点である。これにより、AIBパートナーはより柔軟な製品展開が可能になると予想される。
Xenospectrum’s Take
今回の仕様から読み取れるのは、NVIDIAの製品戦略における大きな転換の可能性だ。特に標準モデルでのXX105/205クラスGPUへの移行は、製造コストと性能のバランスを見直す動きとして注目に値する。Ti版と標準版の間に設けられた45%のCUDAコア差は、単なる性能差以上の意味を持つかもしれない。これはBlackwell世代での新たな市場セグメンテーション戦略の表れと見ることができる。
消費電力の増加も興味深い論点だ。特に標準版の25%増という数字は、より高性能なダイへの移行を意図した戦略なのか、それとも製造プロセスの限界を示唆しているのか。この点は、今後のNVIDIAの技術ロードマップを占う重要な指標となるだろう。
また、Ti版への16GB VRAM搭載は、AIワークロードの普及を見据えた布石なのか、あるいはクリエイター向けの機能強化なのか、その戦略は興味深い所だ。メモリ価格の高騰が続く中、最終的な販売価格設定が製品の市場ポジショニングを大きく左右するだろう。さらに、SamsungのGDDR7量産開始時期と製品発売のタイミングが、実際の市場投入スケジュールを左右する可能性も考慮に入れる必要がある。
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