2024年のGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)市場が着実な成長を見せている。調査会社Jon Peddie Research(JPR)の最新レポートによると、統合型および単体GPUの総出荷台数が2億5,100万台を超え、前年比6%の成長を記録したとのことだ。
好調な上半期が年間成長を牽引
2024年のGPU市場は、特に上半期において力強い成長を示した。デスクトップ向け単体GPUの出荷台数は、2024年上半期で18.2百万台を記録。これは2023年同期比で46%という大幅な増加となった。
しかし、第3四半期(Q3)に入ると市場は減速傾向を示し、グラフィックスボードの出荷台数は810万台まで減少。これは前年同期の890万台から約9%の減少となった。この減速の背景には、AMDにおける在庫調整や、NVIDIAのAda LovelaceアーキテクチャーおよびAMDのRDNA 3世代製品のライフサイクル終了が影響していると分析されている。
PC市場との相関性が浮き彫りに
IDCの調査によると、2024年のPC出荷台数は約2億6,270万台で、前年比1%の微増となった。一方でGPUの出荷台数はPCの出荷台数を上回っている。これは、現代のデスクトップおよびノートPCの多くが統合GPUを搭載しながら、追加で単体GPUを搭載するケースが増加していることを示している。
JPRのレポートによれば、GPUの年間出荷台数はCPUと比較して約24%多い傾向にある。この差は、ゲーミングPCやクリエイター向けワークステーションなど、高性能グラフィックス処理を必要とするシステムの需要増加を反映している。
市場動向の詳細な分析
JPRが発行した208ページに及ぶ年次レポートでは、155のチャートと図表、24の表を用いて市場動向を詳細に分析している。特筆すべきは、第4四半期の動向だ。例年、第4四半期はゲーマーの新作タイトル需要により単体GPU販売が増加する傾向にあるが、2024年末の動向については慎重な見方が示されている。
また、2024年の出荷台数は2023年を上回る可能性があるものの、暗号通貨マイニング需要が急激に高まった2021年や2022年の水準には届かない見通しだ。
Source
- Jon Peddie Research: Jon Peddie Research’s annual GPU Market and Products report
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