これまでAI PCと曖昧に呼ばれていた呼称は、Microsoftによって「Copilot+ PC」と新たなブランド名と仕様が定義づけられ、多くのAI機能が独占的に提供されることが明らかになった。
その発表の席で大々的に登場したのがQualcommのSnapdragon Xチップを搭載した「Surface Laptop」や「Surface Pro」を含む多くのノートPCであり、これに続く形でAMDが「Ryzen AI 300」を、Intelが「Lunar Lake」をそれぞれComputexで発表したが、Qualcomm以外の2社のチップを搭載した製品については、Copilot+ PCの基準を満たすにもかかわらず、発売当初はそのAI機能の多くが利用できない可能性がありそうだ。
WindowsのAI機能の多くは2025年まで待つ必要がある?
Microsoftの定めるCopilot+ PCの基準は、「最低16GBのRAM、256GBのオンボードストレージ、および毎秒40兆回の操作が行える(40TOPS)専用のニューラルプロセッシングユニット(NPU)を搭載している事」とされている。
QualcommのSnapdragon Xチップは45TOPSのNPUを搭載しており、AMDのRyzen AI 300は55TOPS、IntelのLunar Lakeも48TOPSのNPUをそれぞれ搭載しており、Copilot+ PCの基準は十分に上回っているはずだ。
しかし、Microsoft、AMD、およびIntelは、これらのチップを搭載したノートPCにいつCopilot+ PCのAI機能が提供開始されるかどうかは明言を避けている。
「Intel Lunar LakeとAMD Strix PCは、我々のCopilot+ PCハードウェア要件を満たすWindows 11 AI PCです。IntelおよびAMDと密接に連携し、利用可能な時に無料のアップデートを通じてCopilot+ PC体験を提供します」と、MicrosoftのマーケティングマネージャーJames Howell氏はThe Vergeに語っている。
AMDのPRマネージャーMatthew Hurwitz氏は、「2024年末までにCopilot+体験を提供することを期待しています」と語り、IntelのPRマネージャーThomas Hannaford氏も「Lunar Lakeは、利用可能な時にアップデートを通じてCopilot+体験を取得します」と、説明を避けているようだ。
つまり、Intel/AMDのPCがRecall、Auto Super ResolutionなどのCopilot Plus PC機能を取得するのは2025年になる可能性があると言う事だ。
ただし、IntelとAMDは、自社のシリコンを搭載したマシンには独自のAI機能があり、さらに数百の機能が開発中であることを強調している。
とは言え、Microsoftの提供するAI機能が全て歓迎されるかどうかはまた別の話だ。画面を5秒ごとにスナップショットするプログラム「Recall」は、プライバシーに関する否定的な意見が多く、まずはQualcommチップに提供されてから世間の反応を見てMicrosoftがどのように対処するのかを確認するのも良いかもしれない。
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