Intelの新型グラフィックボードBattlemageこと「Arc B580 」が発売直後から欧米の量販店で品薄状態に陥っている。日本では5万円前後と高めの価格設定である事から割安感がないが、欧米では250ドルと競合と比較して割安な価格設定であるにもかかわらず高いパフォーマンスが好評を博し、多くの小売店で初期在庫が完売となっているようだ。
市場での反響と評価
Arc B580は、主要テクノロジーメディアから「新しいメインストリーム向けGPUの王者」「今年の249ドルGPUチャンピオン」「10年代初の価値あるバジェットGPU」など、極めて高い評価を獲得している。特に、競合製品であるNVIDIAのRTX 4060やAMD RX 7600と比較して、平均的なパフォーマンスで優位に立っていることが注目を集めている。
価格性能比の高さに加え、12GBという潤沢なVRAMを搭載していることも、製品の競争力を高める要因となっている。また、これまでIntelのGPUで課題とされてきたドライバの成熟度も改善されているとの評価を得ている。
供給状況と今後の展開
Intel広報担当のMark Anthony Ramirez氏は「Arc B580グラフィックスカードへの需要は非常に高く、多くの小売業者が初期在庫を完売しました。Limited Editionモデルの週次補充を予定しており、市場での選択肢を確保するためにパートナーと協力しています」と述べている。
Hardware UnboxedのアナリストであるSteve Walton氏によると、この品薄は見せかけの「ペーパーローンチ」ではなく、製造業者、小売業者、流通業者からの情報では「かなりの量」が供給されていたという。にもかかわらずの完売と言うことで人気の高さは事実のようだ。
Xenospectrum’s Take
Intelにとって、このBattlemageの成功は極めて大きな意味を持つ出来事だ。近年苦戦を強いられているCPU事業の状況を考えると、新たな収益源として確立できる可能性を示唆している。
特筆すべきは、NVIDIAとAMDという強力な競合が存在する市場で、価格と性能のバランスという明確な差別化要因を確立できた点だ。ただし、2025年のCESを控え、競合他社の新製品発表も予定されている。Intelがこの好調な滑り出しを持続的な市場地位の確立につなげられるか、今後の展開が注目される。
そして願わくば日本での価格も為替レートを反映した適正価格に落ち着いてもらいたいものだ。
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