Intelの次期モバイル向けプロセッサ「Lunar Lake」とデスクトップ向けプロセッサ「Arrow Lake」は、一部報道で遅延の可能性が示唆されたが、これに対しIntelは否定の声明を発し、具体的な発売時期について改めて明らかにしている。
Lunar Lakeは9月中旬、Arrow Lake-Sは10月発売か
Intelのチップ開発は、当初の計画通りの物とはなっていないようだが、製造プロセスを柔軟に切り替えるなどして、事前に明かしているロードマップからの遅延は最小限に食い止める物と見られる。
Computexで大々的に発表されたLunar Lakeは、2024年第3四半期の発売が発表されたが、その後一部のベンダーから出荷遅延の可能性について懸念が表明されたりもあり、再度の遅延の可能性も浮上した。だが先日、TSMCがLunar Lake及びArrow Lake向けの3nmプロセス・チップレットの製造を開始したとの報道もあり、発売が計画通りに進んでいることも示唆された。
DigiTimesは、当初Lunar Lakeは6月の発売予定だったが、9月の発売へと後ろ倒しになったと報じており、これをもってIntelの計画遅延を報じているが、Intelはこれに対して以下の様に計画の遅延はなく、改めて予定通りの発売になると述べている:
Intelの次世代クライアントプロセッサ(コードネーム:Lunar Lake)は遅延していません。先に発表された通り、Lunar Lakeベースのシステムはホリデーシーズンに向けて第3四半期に出荷を開始する予定です。
BenchLife
BenchLifeはこれに関する補足情報として、コードネーム「Lunar Lake」モバイルプロセッサは、9月中旬に正式に発表されると、情報筋からの情報を引用して報告している。Lunar Lakeの具体的な発売は9月17日から9月24日の間になり、これは9月24日から25日に開催される「Intel Vision 2024」イベントに合わせた物になるとのことだ。ここで発売となるLunar Lakeデバイスはコンシューマ向けの物となり、ビジネス向けモデルは2025年1月の発売になると言う(上記のLenovoによる遅延の懸念はこちらを指していた可能性もありそうだ)
加えて、コードネーム「Arrow Lake-S」デスクトッププロセッサ及びZ890チップ搭載マザーボードは、その翌月の2024年10月に発売になると言う。Arrow Lake-SもLunar Lakeと同じくTSMCのN3Bプロセスに基づくIntel初のマルチチップレット設計デスクトッププロセッサとなり、Intelにとって一つのマイルストーンとなるものだ。
例年通り、IntelはアンロックされたArrow Lake-SプロセッサーとZ890チップセットから、まずは10月にリリースし、非K Arrow Lake-S CPUとB860/H810プラットフォームはその後、おそらく2025年のCESに合わせてリリースする物と見られる。これはIntelの典型的な製品リリースパターンに沿ったものだ。
IntelのRaptor Lakeプロセッサについては一部モデルで動作が不安定になる不具合が生じており、Intelは根本的な原因をまだつかめていないという。Arrow Lake-Sにおいて同様の問題が生じないことを祈りたい所だ。
大まかな発売時期は上記の通りだが、IntelはArrow LakeとLunar Lakeプロセッサーの正式な発売日をまだ明らかにはしていない。発売まではまだ時間があり、製品の準備状況や市場の需要など、さまざまな要因によって変更される可能性もあるため注意が必要だ。
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