Intelの次世代フラッグシップCPUとなるCore Ultra 9 285Kについて、極限状態でのベンチマークテスト結果が明らかとなった。人気リーカーのI_Leak_VNとHXLによって公開された情報によると、「エクストリーム」プロファイル条件下において、同CPUは大きく性能が向上したが、同時に最大370.5Wという驚異的な電力消費を記録している。
エクストリームプロファイルでの性能検証
テスト時のCPU構成では、Pコア(パフォーマンスコア)が5.6GHzにロックされ、Eコア(効率コア)は3.9GHzで動作していた。この構成でCinebench R23のマルチコアテストを実施した結果、46,289ポイントというスコアを達成している。
Core Ultra 9 285Kの性能は、電力制限の解除に応じて段階的な向上を示している:
- 標準状態:約279Wまでの電力消費で42,286ポイント
- 250W制限:約349Wまでの電力消費で45,563ポイント
- 制限解除:約370Wまでの電力消費で46,289ポイント
これらの結果は、同CPUが持つ潜在的な性能を示すものだが、同時にその極端な消費電力の増大から、Intelが“標準”のCPUプロファイルをかなり控えめに設定しているようにも思われる。これは、最近までトラブルに見舞われたRaptor Lakeの過熱という“トラウマ”によるものだろうか。
だが、Core Ultra 9 285KはAMD Ryzen 9 9950Xと比較して、スレッド数で劣っていながらも、競争力のある性能を発揮している点には注目したい。これは、Intelの主張にも一定の説得力があったことの証左だろう。(だが、噂ではIntelは次世代製品で再びハイパースレッディングを復活させるという話も出ているが)
電力効率の観点から言えば、AMD Ryzen 9 9950Xが253Wと、100W以上も低い消費電力で同等の性能を実現している点は、色々言われているZen 5ではあるが、その効率性については特筆に値するだろう。
今回のベンチマーク結果は、IntelのArrow Lake世代が持つ潜在能力の高さを示すと同時に、現代のハイエンドCPUが直面する電力効率の課題も浮き彫りにしている。370Wという電力消費は、一般的な冷却システムでは対応が困難であり、実用性の観点からは疑問が残るものだ。
前向きに見れば、この結果はIntelの技術革新への挑戦的な姿勢を示すものとも言える。標準プロファイルでの性能と電力効率のバランスが実用上重要となるが、極限状態での性能向上の可能性を示したことは、今後のCPU開発における重要なマイルストーンとなるだろう。ただし、持続可能性の観点から、次世代製品では電力効率のさらなる改善が期待される。
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