AppleはiOS 18.4の最初の開発者向けベータ版をリリースした。このバージョンでは、Apple Intelligenceの言語サポートが拡大し、日本語を含む英語以外の言語での利用が可能となっている。その他、Apple News+ Foodの追加、優先通知機能など、多数の新機能と改善が含まれる。
iOS 18.4 ベータ1がついに登場
Appleは先日、iOS 18.4 beta 1(ビルド22E5200s)を開発者向けにリリースした。現時点では開発者向けベータ版のみの提供だが、来週にはパブリックベータ版も公開される見込みだ。今回のアップデートでは、昨年発表されたApple Intelligence関連機能の強化に加え、Apple News+の新セクションやユーザーインターフェースの改善など、多岐にわたるアップデートが含まれている。
Apple Intelligence:対応言語が大幅に拡大と機能強化
iOS 18.4 ベータ1の目玉の一つは、Apple Intelligenceの対応言語が大幅に拡大されたことだ。これまで米国英語のみのサポートであったが、新たに日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字)の8言語が追加された。さらに、英語(シンガポール、インド)のローカライズ版もサポートされ、合計10の新しい言語オプションが利用可能となる。
通知の優先順位付け:重要な通知を優先表示
iOS 18.4には、昨年Apple Intelligenceの一部として発表された「通知の優先順位付け(Priority Notifications)」機能が搭載されている。この機能は、重要な通知を独自の表示で強調し、注意が必要な通知を見つけやすくするものだ。 通知の優先順位付けはデフォルトではオフになっているが、「設定」アプリの「通知」から「通知の優先順位付け」をオンにすることで有効化できる。
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Image Playground:新しい「スケッチ」スタイル
iOS 18.2で初めて登場したImage Playgroundだが、今回これも日本語ユーザーは利用が可能になった。これまで、「アニメーション」と「イラストレーション」の2つのスタイルが用意されていたが、iOS 18.4ベータ1では、3つ目のスタイルとして「スケッチ」が追加されている。
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ジェン文字:自分の好きな絵文字が作製出来る
これまで「Genmoji」と呼ばれていた機能だが、日本語への対応拡大に伴い、表記も「ジェン文字」と改められた。
ジェン文字は、ユーザーのが入力したプロンプトに応じて独自の絵文字を作成するサービスだ。「メッセージ」アプリ以外にも、作成したジェン文字はInstagramやLINEなど、他社のアプリでも利用できるため、もしかしたら最も使われるApple Intelligenceの機能の一つになるかもしれない。
利用はキーボード画面で絵文字を選択肢、右上の「Genmoji」をタップすればジェン文字編集画面が出てくるので、自分が作成したいジェン文字をプロンプトで入力すれば作製出来る。
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Apple News+ Food:レシピと食に関する新セクション
Apple News+には、新たに「Food」セクションが追加された。ここでは、Allrecipes、Bon Appétit、Food & Wine、Good Food、Serious Eatsといった著名な出版社からの数万件ものレシピが提供される。レシピだけでなく、レストラン情報、健康的な食事、キッチン用品など、食に関する幅広いコンテンツが、洗練されたインターフェースで提供される予定だ。Apple News+の購読者は、iOS 18.4およびiPadOS 18.4へのアップデート後、4月からこの新セクションを利用できるようになる。
日本のマイナンバーカードがAppleウォレットに登場
日本のユーザーにとって大きなアップデートとしては、XのAaron Perrisが発見したように、iOS 18.4で日本の「マイナンバーカード」がAppleウォレットに登場することだろう。
昨年5月にAppleとデジタル庁によって発表されたように、2025年春を目処にAppleウォレットの身分証明書機能を使って「マイナンバーカード」のデジタル化が実施される計画が進められていたが、iOS 18.4においてついにそれが実現するようだ。
まだベータ版と言うことで、実際にその機能を利用することは出来ないが、iOS 18.4の正式な展開時期である2025年4月にも、iPhoneにマイナンバーカードの機能を搭載し、各種手続きに利用する事が出来る様になりそうだ。
その他の注目アップデート
iOS 18.4 ベータ1には、他にも多数の改善と新機能が含まれている。
コントロールセンター
コントロールセンターには、新たにアンビエントミュージックのコントロールが追加された。「チル」「プロダクティビティ」「スリープ」「ウェルビーイング」の4つのトグルが利用可能で、それぞれApple Musicのプレイリストと連携する。これらのトグルは、コントロールセンターに追加するだけでなく、iPhoneのアクションボタンやロック画面にも配置できる。
CarPlay
CarPlayのインターフェースがアップデートされ、ホーム画面にアプリのアイコンが3列表示されるようになった。ただし、この変更は一部の車種に限定される可能性がある。
iPad用メールアプリ
iPadOS 18.4 beta 1では、iOS 18.2でiPhoneに導入された新しいメールアプリがiPadでも利用できるようになった。このメールアプリは、機械学習を活用してメールを「プロモーション」「プライマリ」「トランザクション」「アップデート」の4つのカテゴリに自動的に分類する。
Apple Vision Pro連携
iOS 18.4では、Apple Vision Pro向けの新しいアプリが導入される。このアプリは、Apple Vision ProのユーザーがiPhoneと連携してデバイスの設定や情報にアクセスしたり、空間コンピューティングプラットフォームに関するコンテンツを探索したりすることを可能にする。また、Apple Vision Proのゲストユーザー機能に関する新しい設定も追加される予定である。
写真アプリ
写真アプリでは、アルバムリストの編集インターフェースが刷新された。
初期設定
iOS 18.4でiPhoneを初期設定する際に、デバイスのユーザーの年齢層を選択する画面が追加された。「子供(12歳以下)」「ティーンエイジャー(13~17歳)」「成人(18歳以上)」から選択することで、ペアレンタルコントロールや安全機能の設定が最適化される。
Podcastウィジェット
Podcastアプリの新しいウィジェットとして、「ライブラリ」と「番組」ウィジェットが追加された。ホーム画面からライブラリ内のエピソードやフォロー中の番組のエピソードを簡単に再生できる。
その他
- メッセージアプリに「会話を開く」「メッセージを送信」の新しいショートカットアクションが追加。
- Siriに2つの新しいオーストラリア英語のボイスが追加。
- コントロールセンターのデザインが一部調整(フォーカスモードピッカー、音量調整アニメーション、モバイルデータ通信トグルなど)。
- 設定アプリの「カメラアプリ」メニューが独立。
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