Appleは本日、iOS 18.4の第3開発者ベータ版を公開した。前回のベータ2からの大きな機能の更新は現在確認出来ておらず、今回はバグ修正がメインと見られている。なお、iOS 18.4はApple Intelligence機能の強化、多言語サポートの拡充、新しい絵文字などが含まれており、正式版は2025年4月に一般ユーザー向けに提供される見込みだ。
リリース概要と対象OS
Appleは、iOS 18.4およびiPadOS 18.4の第3開発者ベータ版をビルド番号22E5222fでリリースした。同時に、macOS Sequoia 15.4(ビルド番号24E5228e)、tvOS 18.4(ビルド番号22L5240e)、watchOS 11.4(ビルド番号22T5234f)、visionOS 2.4(ビルド番号22O5221d)の第3ベータ版も公開している。
これらのアップデートは前回の第2ベータ版から約1週間後のリリースとなり、登録開発者であれば設定アプリからOver-The-Air(OTA)アップデートとして無料でインストール可能だ。開発者アカウントとApple IDをリンクしていれば、「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」→「ベータアップデート」から入手できる。
主要な新機能と変更点
iOS 18.4は、iPhoneとiPadに多数の新機能をもたらす大型アップデートとなる。このベータ版シリーズを通じて導入された主な機能と変更点は以下の通りだ。
Apple Intelligence拡張
iOS 18.4では、Apple Intelligenceに関する機能が大幅に強化される。
- 通知の優先順位付け:重要度の高い通知の表示方法を最適化
- ビジュアルインテリジェンス:iPhone 15 Proでの視覚的検索機能が追加され、iOS 18.4からはiPhone 16およびiPhone 16 Proではコントロールセンター、アクションボタン、ショートカットからこの機能を呼び出し可能に
- Image Playground:新しいスケッチスタイルが追加され、創造的な表現の幅が拡大
- 多言語サポート:フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、日本語、韓国語、中国語(簡体字)に加え、シンガポールとインド向けにローカライズされた英語にも対応
ユーザーインターフェースの更新
- 新絵文字:約1年ぶりとなる新しい絵文字キャラクターが追加
- コントロールセンター:Apple Intelligence専用セクションの追加と、新しいAmbient Music(環境に応じた音楽)コントロールの導入
- CarPlayデザイン変更:ユーザーインターフェースの改善と、将来的にEV(電気自動車)ルート計画のアップデートに対応する可能性を示唆
アプリケーションの改善
- Apple News+:購読者向けに食品コンテンツが追加され、レシピなどのコンテンツが利用可能に
- App Store:アップデートを一時的に停止する「一時停止」ボタンの追加
- ウォレット:アプリ内設定と注文管理にアクセスするための新しいメニューアイコンを実装
- ショートカット:使い勝手の改善と機能拡張
その他にも、Appleマップ、Mobile Device Management、ポッドキャスト、Siriなど多数のアプリや機能に小規模な改善が施されている。
デバイス別の機能拡張
iPhone
iPhone 15 Proでは、ビジュアルインテリジェンス機能が利用可能になり、画像認識と検索機能が強化される。フランスのOrangeユーザーにとっては、第2ベータから導入されたRCS(Rich Communication Services)プロトコルが有効化され、より豊かなメッセージング体験が提供される。
iPad
iPadOS 18.4では、端末内メール分類機能がサポートされ、メールの整理と管理が効率化される。また、iPhoneと共通の多くの機能改善も含まれている。
Mac
macOS Sequoia 15.4では、Mailアプリに「メールカテゴリー分け」機能が追加され、メールの種類を自動的に整理することでユーザーが簡単にアクセスできるようになる。また、Image Playgroundの拡張機能やApple News+の新コンテンツなど、iOS 18.4と共通の機能も多数実装される。
Apple Vision Pro
visionOS 2.4では、Apple Vision ProにApple Intelligenceのサポートが追加される。また、iOS/iPadOS 18.4には新しいApple Vision Proアプリが含まれ、ヘッドセットの使用方法の説明や、アプリやイマーシブビデオを探すためのディスカバーセクションが提供される。
今後のリリーススケジュールと影響
iOS 18.4およびその関連アップデートの正式版は、2025年4月に一般ユーザー向けにリリースされる見込みだ。Apple Intelligenceの多言語対応拡大は、非英語圏のユーザーにとって大きな進展となる。
開発者やテスターは、これらのベータ版をセカンダリデバイスやミッションクリティカルでないデバイスでのみ使用することが推奨されている。ベータソフトウェアにはバグや問題が存在する可能性があり、データ損失のリスクが常に伴うためだ。