OpenAIがサーバー用の新しいAIチップ開発に向けて、半導体大手Broadcomとの協議を進めていることが明らかになった。OpenAIによる独自AIチップ開発についてはこれまでに何度も報じられてきたが、ここに来てより具体的な内容が明らかになった形だ。
OpenAIの野心的なAIチップ開発計画は継続している
OpenAIのSam Altman CEOが主導するこのイニシアチブは、同社のAI開発能力を飛躍的に向上させることを目的としている。現在、AI開発に使用されるGPU(グラフィックス処理ユニット)の大半はNVIDIAが供給しているが、OpenAIはこの依存状況からの脱却を図っているとみられる。
具体的な動きとして、OpenAIはGoogleの元従業員で、同社のAIアクセラレーターであるTPU(Tensor Processing Unit)の開発に携わった人材を採用しているとのことだ。具体的には、OpenAIは元GoogleのRichard Ho氏を採用したようで、同氏は今後OpenAIの新しいAIチップ設計に重要な役割を果たすと予想される。
加えて、Broadcomとの協力関係は、OpenAIのチップ開発計画において重要な意味を持つ。BroadcomはGoogleのTPUやMetaのMTIAなど、サーバー向けAIチップの設計サービスを提供してきた実績がある。この経験は、OpenAIの新しいチップ開発に大きく貢献する可能性が高い。
ただし、The Informationの報道によると、OpenAIのチップ設計はまだ開始されておらず、早くても2026年の生産開始が見込まれているという。半導体開発の複雑さと、開発にかかる時間を鑑みれば無理のないスケジュールだ。
一方で、OpenAIの動きはNVIDIAに影響を与える可能性がある。現在、OpenAIはMicrosoftのAIデータセンターに設置されたNVIDIAのGPUを使用しているが、独自のAIチップを開発することで、この依存関係が変わる可能性がある。
OpenAIの広報担当者は、「AIの利益が広く行き渡るために必要なインフラへのアクセス増加について、業界や政府の関係者と継続的な対話を行っている」と述べ、チップ開発の可能性を否定しなかった。
Source
- The Information: OpenAI Has Talked to Broadcom About Developing New AI Chip
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