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Amazon、開発中のAIアシスタント「Rufus」を米国の一般ユーザー向けに提供開始

Y Kobayashi

2024年7月13日

AI開発では、Anthropicへの巨額投資などが伝えられたAmazonだが、具体的な製品展開はこれまであまり聞かれてこなかった。だが今回、同社が米国で一部の顧客向けにテストを行っていたAIショッピングアシスタント「Rufus」が、ついに全米の顧客向けにリリースされた。モバイルアプリ内で利用可能なこのAIは、膨大な製品情報と高度な対話能力を組み合わせることで、単なる製品検索ツールを超え、顧客の買い物体験を根本から変革することを意図して開発されている。

Amazonはオンラインショッピングを双方向な物にしたい

Rufusは2024年2月に限定ベータ版としてリリースされ、数ヶ月間の試験期間を経て、ついに米国の全顧客が利用可能となった。Amazonはこの期間中、数千万件にも及ぶ顧客からの質問を分析し、Rufusの機能を磨き上げてきた。

Rufusは単なるチャットボットではなく、Amazonの膨大な製品カタログ、数百万件に及ぶカスタマーレビュー、コミュニティQ&A、そしてWeb上の公開情報を基に訓練された独自の大規模言語モデル(LLM)を搭載している。この技術基盤により、Rufusは単に情報を提供するだけでなく、文脈を理解し、ユーザーのニーズに合わせて、Amazonの取り扱う商品に関して、適切な回答や提案を行うことが可能となっているのだ。

Rufusの主要機能

Rufusは会話の流れの中で関連する質問を自動的に提示し、ユーザーが思いつかなかった視点からの情報も提供する。例えば、バックパックの素材について尋ねた後、「お客様の評価は?」というオプションを表示し、より深い製品理解を促すこともできると言う。

ただし、現状のRufusには、製品説明の正確性に関する課題や、米国での選挙関連など、Amazonの取り扱い商品とは関係のない話題にも対応してしまい、間違った回答をしてしまうなど、改善の余地がある部分も指摘されている。Amazonはこれらの課題を認識しており、継続的な改善を約束している。

また、Rufusが参照するWeb上の情報源については詳細が明らかにされておらず、情報の信頼性や中立性に関する問題も注目されそうだ。

だが、このRufusはこれまでのオンラインショッピングの形を全く変える可能性を秘めた物とも言える。これまでオンラインショッピングはどちらかと言えばユーザーが目的の商品を探す“能動的”な物だった。だが、AIアシスタントとやりとりをすることは、まだほど遠い部分もあるが、現実世界で店員とやりとりをしながら楽しむショッピング体験をオンラインショッピングに取り入れることにも繋がるかも知れない。そういった意味で、Amazonの実験の推移は個人的に気になるところだ。

Sources

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