Samsungが世界最薄のLPDDR5Xメモリの量産を開始したことを発表した。この驚異的な薄さは、デバイスの薄型化だけでなく、内部の冷却効率を高め、AI処理能力の向上にも貢献すると期待されている。
革新的な薄型設計がもたらす多様なメリット
Samsungは、12GBおよび16GB容量の12nmクラスLPDDR5Xメモリパッケージの量産を開始した。このメモリパッケージは、わずか0.65mmという驚異的な薄さを実現している。これは、従来のLPDDR5Xパッケージと比較して約0.06mm(9%)薄くなっており、まさに指の爪ほどの薄さだ。
この画期的な薄型化は、新しいパッケージング技術の採用によって可能となった。具体的には、最適化されたプリント基板(PCB)とエポキシ樹脂コンパウンド(EMC)技術、さらに最適化されたバックラッピングプロセスを駆使している。これにより、パッケージの高さを極限まで抑えることに成功したとのことだ。
Samsung Electronics のメモリ製品企画担当エグゼクティブバイスプレジデントであるYongCheol Bae氏は、次のようにコメントしている。「SamsungのLPDDR5X DRAMは、優れたLPDDRパフォーマンスだけでなく、超小型パッケージでの高度な熱管理を提供し、高性能のオンデバイスAIソリューションに新たな基準を設定します。私たちは、お客様との緊密な協力を通じて継続的なイノベーションに取り組み、低電力DRAM市場の将来のニーズに応える解決策を提供することをお約束します」。
この新しいメモリパッケージの主な利点は、スマートフォン内部の空気の流れを改善し、熱管理を大幅に向上させることにある。これにより、デバイスの性能向上と電池寿命の延長が期待できる。また、熱管理の改善はデバイスの寿命延長にも寄与する。
さらに注目すべき点は、この新しいDRAMパッケージが従来モデルと比較して約21.2%の熱抵抗改善を実現していることだ。これは、高性能アプリケーションや高度なオンデバイスAI機能を搭載したデバイスにとって特に重要な要素となる。
Samsungは今後、6層24GBおよび8層32GBモジュールなど、さらにコンパクトなパッケージの開発を計画している。これにより、高性能で高密度なモバイルメモリソリューションの需要に応えていく方針だ。
この技術革新は、スマートフォンの設計に新たな可能性をもたらすものの、デバイスの薄型化には他の要素も大きく関わっている。保護ガラス、プリント基板、バッテリーなどの薄型化も、デバイス全体の厚さ削減に重要な役割を果たす。しかし、この新しいメモリモジュールの主な利点は、スマートフォン内部の空気の流れを改善することにあり、これが性能向上につながると考えられている。
Samsungの最新のLPDDR5Xメモリは、モバイルプロセッサメーカーやモバイルデバイスメーカーに供給される予定だ。この技術が広く採用されれば、より薄く、より高性能なスマートフォンの登場が期待できる。さらに、AI処理能力の向上により、ユーザーエクスペリエンスの大幅な改善も見込まれる。
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