Samsungは、第8世代V-NANDより50%ビット密度が向上し、33%の高速化を果たした第9世代V-NANDフラッシュ・ップの量産を開始すると発表した。
SamsungによればTLC NANDは今月中に生産が開始され、QLCの量産は今年後半になると予想されている。第9世代V-NANDは290層以上になるとも報じられているが、Samsungは今回このことには触れていない。
Samsung Electronicsのメモリー事業フラッシュ製品・技術責任者であるSungHoi Hurは、「将来のアプリケーションを飛躍的に前進させる業界初の第9世代V-NANDを提供できることを嬉しく思います。NANDフラッシュ・ソリューションに対する進化するニーズに対応するため、Samsungは次世代製品のセル・アーキテクチャと動作方式の限界を押し広げました。Samsungは、最新のV-NANDを通じて、来るべきAI世代のニーズに応える高性能・高密度ソリッドステートドライブ(SSD)市場のトレンドを作り続けていきます」と、述べている。
Samsungは、1Tb TLC 第9世代V-NANDフラッシュチップのために、最小モールド厚で世界最小のセルサイズを開発した。これにより、ビット密度は前世代のチップに比べて1.5倍に向上した。また、ダミーチャネルホール除去技術により、セルの表面積も縮小された。Samsungによれば、新技術は製品の品質と信頼性も向上させたという。これは、セル干渉回避技術とセル寿命延長技術によって実現された。これらの新しいチップはまた、ダブルスタック構造で使用可能な最高単体製品でもある。
また、NANDフラッシュチップのセル層数が増加するにつれて、それらを貫通することが重要になるが、そのためには、より高度なエッチング技術が必要となる。Samsungはモールド層を積層して電子経路を形成するチャネルホールエッチング技術を採用し、これにより、ダブルスタック構造で業界最多のセル層数の同時穴あけが可能となっており、製造の生産性が最大化しているとのことだ。
加えて、新しいチップは、Samsungの次世代NANDフラッシュ・インターフェース「Toggle 5.1」も採用している。これにより、データ入出力速度は33%向上しており、最大3.2Gbpsに達するとのことだ。更に、新しいPCIe 5.0インターフェイスのサポートも追加されている。最後に、新しいチップは電力効率も10%向上しているとのことだ。
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