Samsungが先日発表したGalaxy S24シリーズでは、一部地域において同社の製造する「Exynos 2400」チップが採用されている。
Galaxy S22で採用されていたExynos 2200は発熱の問題や、実際の性能が優れないことなどから、ユーザーからの評価も散々であり、その後のGalaxy S23でのSnapdragonチップ独占に繋がったと言われている。
そんなSamsungが2年ぶりに世に放つExynos 2400について、Samsungは汚名を返上出来るのかどうかに興味が持たれる所だが、既に出ている報告ではかなり良好な結果を示している様だ。
GPU性能の大幅向上と安定性
Exynos 2400は、Samsungが独自に開発した4nm LPP+プロセスノードを採用しており、そのCPU構成はCortex-X4(3.2 GHz)が1コア、Cortex-A720(2.90 GHz)が2コア、Cortex-A720(2.6 GHz)が3コア、Cortex-A520(2.0 GHz)が4コアの10コア構成となっている。
Exynos 2400に搭載されているGPU「Xclipse 940」は、AMDのRDNA3アーキテクチャーをベースにしている。具体的な詳細は不明だが、Exynos 2200はRDNA2アーキテクチャーを採用していたため、順当なアップデートだ。
実際の性能も大幅に向上しており、Exynos 2200比で約2倍のパフォーマンスを誇るという。
参考として、Exynos 2200は3DMark、平均スコアは1,968点、安定性は66%と評価されている。これは、ストレステスト中にSoCのスコアがどの程度安定して高い性能を維持出来るかを意味する。Exynos 2400について、安定性がどの程度になるのかが気になるところだが、これについて、タイのメディアbeartai実施し、Mochamad Farido Fanani氏がXに共有するデータでは、64.6%を記録している。特筆すべきは、この同様のストレステストを実施したところ、Galaxy S24 Ultraに搭載されているSnapdragon 8 Gen 3は安定性が48.3%であり、ベストスコアも、Exynos 2400の8,905に対し、8,249なのだ。
Exynos 2400 が Snapdragon 8 Gen 3 よりも優れたパフォーマンスを維持出来ているというのは驚きの結果と言える。
実際に、『原神』をプレイした様子も報告されているが、Exynos 2400はかなり低温で動作しているようだ。グラフィック設定に関しては不明だが、60fpsを維持して動作する事に成功しているという。『原神』はモバイルゲームとしては最重量級のゲームであり、様々なゲームのベンチマークとしても用いられる。AppleがiPhone 15 Proシリーズで初めて導入したの3nm A17 Proチップでさえ、このゲームを実行すると高温に達し、サーマルスロットリングのために酷い処理落ちが発生していたことを考えると、Samsungの最新SoCの性能は印象的だ。
このようなグラフィックに負荷のかかるアプリケーションを実行する際、Exynos 2400が安定した温度で動作すると仮定すると、それはおそらくSamsungの効率的な4LPP+製造プロセスと先進のFOWLP技術(Fan-out Wafer Level Packaging)が関係していると思われ、これによって耐熱性が向上し、更に、改良されたベイパー・チャンバーの搭載も相まって、Exynos 2400の驚きの安定度をもたらしているのかも知れない。
Samsungの4LPP+製造プロセスは、次期GoogleのPixel 9シリーズで採用されると見られるTensor G4で採用されると見られており、今回の結果を見る限りかなり期待出来るのではないだろうか。
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