Qualcommの次期スマートフォン向けフラッグシップ・チップセット「Snapdragon 8 Gen 4」は、同社初のカスタムCPUコア「Oryon」に加え、GPUコアは「Adreno 830」を搭載すると見られている。このGPUは以前の情報ではかなりの性能を誇ることが伝えられていたが、新たな情報によれば基本的なパフォーマンスの向上のみならず、GPU利用率を大幅に向上させ、更なるパフォーマンスを発揮するための改良が施されているとのことだ。
GPUパワーを絞り出すため、より大容量のバッテリーを追加か
Qualcommのリークでお馴染みのDigital Chat Station氏がWeiboに投稿した新たな情報と、それを補完する形でX上にsun.dtsi氏によって投稿された情報によれば、Snapdragon 8 Gen 4には新しいスライスGPUアーキテクチャと新しいメモリ圧縮アルゴリズムが採用されるようだ。これは、Adreno 650以来の大きな変更になるという。
QualcommのAdreno GPUは「スライス」と呼ばれる複数の独立したインスタンスに分割され、それぞれが独自のパイプライン、キャッシュ、メモリを持つ。これが今回刷新されるようだ。加えて、メモリ圧縮アルゴリズムの改善も行われるという。
Snapdragon 8G4 GPU設定もかなり進んでおり、この世代のアーキテクチャキャッシュとメモリ圧縮技術がアップグレードされ、内部的には直接Adreno8xxに属しているとされています。上海のチームが新しい技術を開発し、それによりGPUの利用率が大幅に向上し、性能がさらに強力に発揮されるとのことです。どうりで2Kディスプレイの大容量バッテリーを搭載した機種が増えているわけです。
Digital Chat Station
これらの大々的な変革の結果、Snapdragon 8 Gen 4では、GPUの利用率と全体的な性能が向上しているが、それに伴い電力消費量も増えているようだ。Digital Chat Station氏は、以前Snapdragon 8 Gen 4搭載スマートフォンが5,500mAhの大容量のバッテリーを搭載する可能性についても触れていたが、それはこうした事情があることが今回判明した形だ。以前にもSnapdragon 8 Gen 4のGPU性能については期待が持てる情報が報じられており、そこでは1080pで『原神』を動作させられるGPU性能を持っている事も報告されていた。
Qualcommのこうした戦略には、AppleがiPhone 15 Proモデルでコンシューマゲーム機でリリースされていたAAAゲーム、例えば『バイオハザード』や『アサシン クリード』と言った人気ゲームをそのままiPhoneでプレイ出来るようにA17 Proチップを強化した戦略が影響を与えている可能性もある。Androidでも同様に高クオリティのゲームプレイが可能なことを示すため、GPUの大幅な性能向上を目指したのかも知れない。だが、それと共にバッテリー持続時間は現状を維持するか、改善させなければならないため、必然的に大容量バッテリーも必要になるという理屈だ。
QualcommのAppleに対抗するこうした改善はもちろんGPUのみならず、チップセット全体に及んでおり、Snapdragon 8 Gen 4は最高4.20GHzと言う高クロックで動作し、ベンチマークテストの結果でもシングルコア「3000」ポイント、マルチコア「10000」ポイントで、Appleに拮抗することが期待されている。
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