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2024-2027年ゲーム市場は3.7%成長へ、コンソールが主導

2025年3月9日

ゲーム市場分析企業Newzooは最新レポートで、2024-2027年のグローバルゲーム市場が年平均3.7%で成長すると予測した。PC、コンソール、モバイルの全プラットフォームが成長に転じる中、特に『Grand Theft Auto VI』など大型タイトルの発売によりコンソール市場が最も大きな成長を見せると分析している。

分析方法の大幅刷新で精度向上

Newzooは最新の市場分析レポートを発表するとともに、データ収集・分析方法の大幅な改良を実施した。具体的には、Game Performance Monitorからのデータ統合を強化し、Steam Data Suite(現在はNewzoo’s Business Store Intelligenceとして知られる)を買収。これにより、市場規模の評価(トップダウン)とタイトルレベルの推定(ボトムアップ)の連携が向上し、より正確な分析が可能になったとしている。

この方法論の改善により、2024年の全世界のゲーム市場規模の推定値は前回の予測から3%減少し、1,779億ドルと修正された。プラットフォーム別では、PC収益が10%減少の373億ドル、コンソール収益が15%減少の428億ドル、モバイル収益が6%増加の976億ドルとなっている。

2024年市場は微増、プラットフォーム別では明暗

2024年のグローバルゲーム市場は1,779億ドル規模で、前年比0.6%の微増にとどまっている。プラットフォーム別では、PC市場は0.1%とほぼ横ばい、コンソール市場は3.9%の減少、モバイル市場は2.8%の成長となった。

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(Credit: Newzoo)

PC市場については、2024年後半にエンゲージメントは増加したものの、支出の伸びは鈍化した。コンソール市場の減少は、プレミアムタイトルのリリース不足や主要タイトルのパフォーマンス低下が要因とされる。一方、モバイル市場の成長は西側市場の回復によるものだが、成熟した東アジア市場の減速によって一部相殺されている。

2024-2027年は「新しい通常」へ回復

Newzooによれば、今後3年間(2024-2027年)は過去3年と比較して、ゲーム産業全体がより成熟した「新しい通常」状態へと回復すると予測されている。全プラットフォームが成長に転じるものの、その成長率は一桁台の低水準にとどまり、年平均成長率(CAGR)は3.7%と予測されている。

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(Credit: Newzoo)

マイクロトランザクションが牽引するPC市場

PC市場はモバイル市場と同様の成長パターンを示すと予測されている。この成長の主な要因は、ゲーム内収益とコスト意識の高い既存ユーザーの収益化にある。具体的には、ゲーム内コスメティック、ルートボックス、バトルパスなどのマイクロトランザクションが収益を牽引すると分析されている。

『Fortnite』とRobloxは特に、ネットワーク効果による人気とエンゲージメントの向上が見込まれる。両タイトルは継続的なコンテンツ提供によって常に自己刷新し、プラットフォームとしての性格を強めている。

地域別では、中国市場の成長は鈍化する見通しである一方、日本市場は引き続き人気が高まると予測されている。

GTA VIが牽引するコンソール市場の躍進

3つのプラットフォームの中で、コンソール市場が最も大きな成長を示すと予測されている。その主な要因は、2025年に予定されている『Grand Theft Auto VI(GTA VI)』のリリースであり、これによってハードウェアのアップグレード需要が増加すると見られている。

また、PlayStation 5とXbox Series X|Sのインストールベースがピークに達することで、これらのプラットフォーム向けにタイトルを開発するパブリッシャーにとって収益機会が拡大すると分析されている。

2025年のコンソール向けリリースラインナップは、Nintendo Switch 2の発売、新しい任天堂ゲーム、Monster Hunter Wildsなど強力なタイトルが予定されており、市場を大きく押し上げる要因になると予測されている。すでにリリースされた『Monster Hunter Wilds』は非常に高い人気を獲得しており、この傾向は今後も続くと見られる。また、『ポケモンレジェンズ:Z-A』など幅広い年齢層に人気のタイトルも控えている。

成熟期に入ったモバイル市場

モバイル市場は成熟期に達しており、典型的な成長地域以外でのプレーヤー増加率は年間3%を下回ると予測されている。特に成熟した東アジア市場ではプレーヤーの成長率が他の地域と比較して著しく低い。

しかし、アプリストア外での収益化オプションの増加によって収益の可能性は残されているものの、短期的にはキャッシュフローの分散が進むだけで全体のパイの拡大にはつながらない可能性が指摘されている。

地域別の市場動向:明暗分かれる各地域

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(Credit: Newzoo)

北米・ヨーロッパ これらの地域ではコンソールが成長を牽引すると予想されており、Nintendo Switch 2、PlayStation 5、そして改善されたリリーススケジュールがその原動力となる。北米のPC市場は過去数年より高い成長を見せ、ヨーロッパのPC市場成長は北米を上回ると予測されている。

GTA VIの影響で、2026年にはプレミアムPC収益が増加し、その後の年ではゲーム内支出がより強く上昇すると見られている。

モバイル市場は2023年に主要タイトルにけん引されて回復し、この成長は継続すると予想されている。企業はモバイルプラットフォーム上で独自のアプリストアを立ち上げ、消費者への直接的な収益化方法によって収益源を多様化しているが、これらの戦略は市場全体の規模を増加させるものではないとの分析がなされている。

アジア太平洋 アジア太平洋地域は引き続き最大の市場だが、東アジアの成熟市場の成長は限定的であり、中央アジアと東南アジアの小規模市場でいくらかの成長が見られる状況にある。

中国のPC・モバイル両市場におけるプレーヤー数と収益成長は停滞している。Black Myth: Wukongのような予想外のヒット作が一時的にPC支出を押し上げる可能性はあるものの、DnF MobileやAFK Journeyなどの成功にもかかわらず、モバイル成長は僅かにとどまると予測されている。

日本のPC市場は継続的な成長が予想されるが、他のプラットフォームと比較するとまだ小規模である。一方、モバイルゲーム市場は飽和状態にあり、PlayStation 5の成長は減速、初代Nintendo Switchは成熟期を迎えている。Nintendo Switch 2は2024年の下降トレンドを好調なセールスで反転させると期待されている。


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