少し前、Samsungが汎用人工知能(AGI)開発のためにシリコンバレーに研究開発拠点を設立した事が報じられたが、今回その動きに続く物として、同社の高等技術院(SAIT)がRISC-Vに基づくAIチップ設計に取り組むための研究所「Advanced Processor Lab(APL)」を設立したことが明らかになった。
RISC-Vは、確立されたRISCの原則に基づくオープン・スタンダードな命令セット・アーキテクチャ(ISA)で、使用料を必要としないオープン・ソース・ライセンスの下で提供されている。今回のSamsungのRISC-Vへの取り組みは、市場で支配的なArmからの技術的独立性への動きと見られる。
Business Koreaは業界筋の話を引用して、APLの最終目標はRISC-VアーキテクチャをベースにSamsung向けにAIチップを設計することであり、同社はすでに社内にタスクフォースを設置して研究プロセスを開始していると報じている。
Samsungはこれ以外にも、自社の半導体設計への取り組みを強化するためシリコンバレーで次々と新たな拠点を立ち上げている。既に汎用人工知能(AGI)コンピューティング研究所を設立していることは述べたが、2025年のリリースを目指してAI推論チップ「Mach 1」の開発を進めている事も報じられ、さらに、既存のDRAMパラダイムに革命をもたらす可能性のある3D DRAMを開発するための新しい研究組織を設立している。
更に今月初め、米国政府はSamsung Electronicsに対し、テキサス州の複数の拠点にまたがる同社の400億ドル規模の半導体クラスターの開発を支援するため、米国CHIPS法に基づく直接資金として64億ドルを支給すると発表している。
これにより、4nmと2nmのチップを生産する2つの半導体ファウンドリー、高メモリ帯域幅の先端パッケージング施設、研究開発施設がテイラー市に建設される計画だ。
この投資は、オースティンにある既存のSamsung拠点の拡張にも充てられ、従来のバルク技術と比較してより効率的なトランジスタ制御を可能にする完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FD-SOI)プロセス技術の生産をサポートする。
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