Intelが、デスクトップ向けCPU「Arrow Lake Refresh」の開発を再検討しているとの情報が浮上した。2024年に一度はキャンセルされたと噂された計画だが、AI性能強化を目的としたNPUの改良を見据え、再び日の目を見る可能性がある。
Arrow Lake Refresh復活の背景:デスクトップ市場のギャップを埋める
2024年9月、Intelは「Arrow Lake Refresh」プロセッサシリーズの開発を中止したと報じられた。このシリーズは、2025年後半から2026年にかけての発売が予定されていた、第14世代Core Ultra 8P+32Eプロセッサの後継となるはずだった。しかし、中国のハードウェアリーカーである金猪升级包は、Weiboへので、この計画が復活する可能性を示唆している。
Intelはモバイル市場において、2025年後半にPanther Lake、2026年にNova Lakeを投入する計画を発表している。しかし、デスクトップ市場においては、Nova LakeのSシリーズが2026年以降のリリース予定であり、2025年が空白期間となる懸念があった。この状況に対し、既存のArrow Lake-SプロセッサをLGA1851ソケットで刷新することで、市場のニーズに応える戦略が浮上したと考えられる。
主な改良点はNPU:AI性能の大幅向上が焦点
Arrow Lake Refreshの主な刷新点は、AI処理を担うNPU(Neural Processing Unit:ニューラルネットワーク処理装置)の進化にあると見られる。リーカーのJaykihnによれば、IntelはLunar Lakeに搭載されたNPU4に続き、NPU5、NPU6といった新アーキテクチャを開発中のようだ。NPU5は18~50 TOPS(1~3タイル構成)、NPU6は最大75 TOPS(4タイル構成)を提供する予定だ。
金猪升级包によると、Arrow Lake Refresh(デスクトップ向けARL-S、ハイエンドノートPC向けARL-HX)は、Intelの製品ロードマップに再び登場する見込みだ。Arrow Lake Refreshには、Lunar Lakeと同等のNPU4、またはそれ以降のNPUアーキテクチャが搭載される可能性があり、AI処理性能の大幅な向上が期待される。現行のCore Ultra 9 285KのNPU性能が13 TOPSであるのに対し、刷新版では48 TOPSに達する可能性も指摘されている。
既存のArrow Lakeとの比較:ゲーム最適化も期待
Arrow Lake Refreshは、既存のCore Ultra 200Sシリーズと比較して、発売時のゲーム最適化が改善される見込みだ。現行のCore Ultra 200Sシリーズでは、ゲームパフォーマンスに関する最適化が十分ではないとの指摘がある。
Arrow Lake Refreshは、Panther Lake(モバイル専用)やNova Lake(デスクトップ向け、最大52コア)といった次世代CPUファミリーへの橋渡し的な役割を果たす可能性がある。Panther Lakeは2025年後半に発売予定で、18Aプロセスノードを採用する最初のクライアント向け製品となる。Nova Lakeは、2026年に登場予定で、最大52コア(16 Pコア + 32 Eコア + 4 LPEコア)の構成が噂されている。
XenoSpectrum’s Take
IntelがArrow Lake Refreshを再検討しているという情報は、デスクトップCPU市場における同社の戦略に変化が生じていることを示唆している。背景には、AMDのRyzenシリーズとの競争激化や、AI処理性能の重要性の高まりがあると考えられる。
今回のリフレッシュが実現すれば、ユーザーは、現行のArrow Lakeプラットフォームを維持しつつ、AI性能の向上という恩恵を受けられる。特に、生成AIアプリケーションの普及が進む中、NPU性能の強化は、PCの使い勝手を大きく左右する要素となり得る。
ただし、この情報はまだ噂段階であり、Intelの公式発表を待つ必要がある。今後の動向に注目したい。
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