Metaが、AI ハードウェア基盤を強化するため、韓国の AI チップ・スタートアップ「FuriosaAI」の買収を検討していると報じられている。この動きは、NVIDIAへの依存を減らし、独自の AI アクセラレータチップ開発を補完する狙いがあると考えられる。
Meta、FuriosaAIのAIチップ技術に注目
Meta Platforms は、ソウルに拠点を置く AI チップ・スタートアップ「FuriosaAI」の買収交渉を進めていることが、Forbesによって報じられている。複数の関係筋の話によれば、交渉は早ければ今月中にもまとまる可能性があるという。FuriosaAIは、MetaのLlama 2やLlama 3のような生成AIモデルを含む、AIアプリケーションを高速化するアクセラレータの設計を専門としている。
この買収の可能性は、AIインフラへの大規模投資という Meta の広範な戦略と合致するものだ。同社は以前、2025 年に最大650億ドルを費やす計画を発表しており、その大部分は AI に割り当てられる予定とされている。
FuriosaAIの技術と市場での位置付け
2017年 Samsung ElectronicsとAMDの元エンジニアによって設立されたFuriosaAIは、生成AIアプリケーションで大量のデータを処理するためのニューラル・プロセッシング・ユニット (NPU) を開発している。同社のCEOであるJune Paik氏は、NVIDIAの支配的だが高価で不足している AI アクセラレータに代わるものが必要であると強調してきた。
2024年8月にリリースされたFuriosaAIの最新チップRNGDは、大規模言語モデルとハイパースケール・データセンター向けに設計されている。NVIDIAのH100 GPUの約半分の性能を発揮するが、消費電力はわずか4分の1であると同社は主張しており、FuriosaAIのモデルに基づくシステムチップの構築総コストは、NVIDIAの約50%になる可能性があるとのことだ。
「NVIDIAの支配は永遠には続かない」とPaik氏は2023年10月のThe Korea Economic Dailyのインタビューで述べている。「代替となる半導体エコシステムを確立するための強力な動きがある」。
FuriosaAI の資金調達と提携
FuriosaAIは、これまでに約1億1500万ドルのベンチャー資金を調達している。投資家には、韓国のインターネット大手Naver、DSC Investment、CRIT Venturesなどが含まれる。
同社は他のテクノロジー企業とも提携を結んでいる。9月には、Saudi AramcoおよびCerebras Systemsと、スーパーコンピューティングと AI 分野での協力を検討するための覚書に署名した。FuriosaAIのRNGDチップは、今年後半に量産に入る予定であり、LGのAI研究所やSaudi Aramcoが関心を示している。
MetaによるFuriosaAI買収の可能性は、カスタム AI チップを開発するテクノロジー大手間の競争が激化する状況を反映している。Google Cloudや Amazon Web Servicesなどの企業も、NVIDIAへの依存を減らし、特定の AI ワークロードのパフォーマンスを最適化するために、独自のチップ設計に投資している。OpenAI も、最初のカスタムチップの設計を最終決定していると伝えられている。
Source
コメント