PCゲーマーの間でWindows 11の普及が加速している。Valveが公開した最新のSteamハードウェア&ソフトウェア調査結果によると、Windows 11の利用率が初めて50%を突破し、Windows 10を上回ったことが明らかになった。
Windows 11、ついに過半数を制す
2024年8月のSteamの調査データによると、Windows 11の利用率は前月比3.36%増の50.81%に達した。これは発売から約3年でようやく達成された大きな節目だ。一方、長年トップの座を守ってきたWindows 10は3.29%減の48.66%まで低下した。
この急激な変化の背景には、Windows 10からWindows 11への移行が主な要因として挙げられる。Windows 8.1やWindows 7など、さらに古いバージョンのWindowsからのWindows 11への移行も少数ながら確認されている。
しかし、Windows 10の根強い人気も無視できない。依然として48%以上のユーザーがWindows 10を使用しており、その安定性と幅広いハードウェアとの互換性が評価されている。一方で、Windows 11の厳格なハードウェア要件、特にTPM 2.0の必要性が、一部のゲーマーにとって移行の障壁となっている。
ゲーミング環境の変化も顕著だ。GPUの利用状況を見ると、ノートPC向けGPUの台頭が目立つ。8月のSteamの調査データでは、ノートPC向けGPUの人気も明らかとなった。具体的には、RTX 4060 Laptop、RTX 3060 Laptopが上位5位以内に入っており、ノートPC人気の高まりが認められる。デスクトップ向けでは、RTX 4070 Superが0.17%増で最も成長した。
言語使用率にも興味深い変化が見られた。簡体字中国語が英語を抜いて最も使用される言語(35%)となった。この背景には、中国発の人気ゲーム『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』の大ヒットがあると推測される。同ゲームのプレイヤーの約80%が中国人であると言われており、これがSteamの同時接続者数の記録更新(3700万人)にも貢献した。
今後は、2025年10月14日に迫るWindows 10のサポート終了が大きな転換点となりそうだ。Microsoftは同日以降、Windows 10へのセキュリティアップデートと技術サポートを終了する予定だ。これにより、現在まだWindows 10を使用している多くのユーザーが、短期間でのOS移行を迫られることになる。
一方で、MacOSやLinuxの利用率は微減となった。特にLinuxは他の統計ソースでは成長傾向にあるため、今後の動向が注目される。
このようなOS環境の変化は、ゲームデベロッパーやハードウェアメーカーにも影響を与えるだろう。Windows 11の普及が進むにつれ、そのプラットフォームに最適化されたゲームや周辺機器の開発が加速する可能性がある。ゲーマーにとっては、より高度なグラフィックスやパフォーマンスを楽しめる環境が整いつつあると言えるだろう。
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