AMDの次世代3D V-Cache搭載プロセッサー「Ryzen 7 9800X3D」のベンチマークテスト結果がリークされ、前世代モデルのRyzen 7 7800X3Dと比較して、最大22%の性能向上を実現していることが明らかになった。11月7日の正式発売を控え、その実力の一端が垣間見える結果となっている。
主要スペックと性能向上
Ryzen 7 9800X3Dは、Zen 5アーキテクチャを採用した8コア16スレッドのプロセッサーで、96MB(L3キャッシュ)という大容量の3D V-Cacheを特徴としている。基本クロック4.7GHz、ブーストクロック5.2GHzと、7800X3Dからそれぞれ0.5GHz、0.2GHzの向上を達成。TDPは120Wに設定されている。
ベンチマークテストでは、以下の注目すべき結果が報告された:
- Geekbench 6シングルコア:3,305ポイント(前世代比最大22%向上)
- Geekbench 6マルチコア:18,221ポイント(前世代比最大20%向上)
ちなみに、オーバークロックでは、最高5.6GHzでの動作も確認されており、Cinebench R23 のマルチコアテストでは25,258ポイントと、前世代比最大35%の性能向上も確認出来たという。
市場投入戦略と価格展開
小売店の事前リストによると、Ryzen 7 9800X3Dの価格帯は484〜525ドルに設定される見込み。前世代モデルの発売価格449ドルからは若干の上昇が予想されるものの、AMDは499ドル前後での市場投入を検討しているとされる。
特筆すべき点として、このプロセッサーはIntelの新たなCore Ultra 200S(開発コードネーム:Arrow Lake)プロセッサーに対する対抗製品として位置付けられており、ゲーミング性能におけるAMDのリーダーシップ維持を狙う戦略的な製品となっている。
Xenospectrum’s Take
今回のリーク情報から、AMDが実質的な性能向上を実現していることが読み取れる。特に注目すべきは、オーバークロック時の性能向上幅だ。従来のX3Dモデルではオーバークロックに制限があったが、9800X3Dではその制限が緩和され、より柔軟な性能調整が可能になったことを示唆している。
また、TSMCの4nmプロセスノードを採用したZen 5アーキテクチャによる16%のIPC向上は、AMDの技術革新が着実に進展していることを示している。ゲーミング性能で最大8%、マルチスレッド性能で最大15%の向上を謳う同社の主張は、これらのベンチマーク結果によって裏付けられたと言えるだろう。
Sources
- Geekbench Browser: ASUS System Product Name
- Wccftech: AMD Ryzen 7 9800X3D CPU Benchmarks Leak Out: Up To 22% Faster In Geekbench Versus 7800X3D
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