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ChatGPT、平日利用が50%増と判明:仕事・学習でのAI活用が顕著に表れる

Y Kobayashi

2025年5月8日

Web分析プラットフォームSimilarwebの最新調査によると、「ChatGPTの利用が週末よりも平日に約50%も増加している」と言う傾向が明らかになった。この傾向はChatGPTが仕事や学習といった生産的なタスクに深く浸透しつつあることを強く示唆しており、私たちの働き方や学び方に静かな革命が起きている可能性を物語っている物と言えるだろう。

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怒涛の成長、X超えも目前──ChatGPTの躍進を示すデータ

まず驚くべきは、ChatGPTの急成長ぶりだ。Similarwebによると、2025年4月におけるChatGPTの総訪問数は47億8600万回に達し、同期間のX(旧Twitter)の40億2800万回を上回った。

この勢いは、2025年に入ってから特に顕著だ。

  • 1月: ChatGPTがXを訪問者数で上回る日はなかった。
  • 2月: 時折、ChatGPTがXを上回る日が出現し始める。
  • 3月: ChatGPTは週末にのみXの後塵を拝する状況へと変化した。
  • 4月: その差はほぼなくなり、月間トータルでXを超えるというマイルストーンを達成した。

現行のトレンドが続けば、ChatGPTが世界で最も訪問者数の多いWebサイトのトップ5に入るのも時間の問題かもしれない。 また、Instagram.comとは依然として僅差であるが(4月28日時点で約1300万アクセスの差)、Instagramのトラフィックの多くがモバイルアプリ経由であることを考慮すると、Webサイト単体での比較ではChatGPTの猛追ぶりが際立つ。

「仕事で使うAI」鮮明に──平日利用50%増が示す新たな利用実態

今回の調査で最も注目すべきは、ChatGPTの利用が平日に集中しているという事実である。Similarwebのデータは、平日の利用量が週末に比べて約50%も高いことを明確に示している。土曜日と日曜日の利用減は、ChatGPTが主に仕事、勉強、研究、執筆といった生産性向上が求められる場面で活用されていることの力強い証拠と言えるだろう。

この傾向は、技術的な側面からも裏付けられる。AI分析企業のArtificial Analysisによると、OpenAIのAPI(ChatGPTなどのAIモデルを利用するためのインターフェース)は、利用者が減少する週末になると処理速度が向上し、応答時間が短縮されるとのことだ。つまり、平日のほうがより多くの人々がアクセスし、システムに負荷がかかっている状況がうかがえる。

この事実は、単に「AIが便利だから使われている」というレベルを超え、「AIが日々の業務や学習に不可欠なツールとして定着しつつある」という、より深いインサイトを与える。 例えば、メール作成、資料の要約、プログラミングの補助、さらには企画立案のブレインストーミングなど、多岐にわたる業務でChatGPTが活用されている可能性が考えられる。

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ChatGPT一強時代か?他を寄せ付けないユーザーの忠誠心

生成AI市場全体を見渡しても、ChatGPTの優位性は際立っている。Similarwebの分析によれば、ChatGPTは総ユーザー数だけでなく、ユーザーの忠誠心においても他の追随を許さない。特筆すべきは、ChatGPTユーザーの多くが、他のAIツールを併用していないという点である。

対照的に、Anthropic社のClaudeユーザーの場合、その約86%がChatGPTも利用しているというデータがある。同様に、AI検索エンジンのPerplexityユーザーも、その74%がChatGPTを併用している。これは、ChatGPTがPerplexityと同様か、あるいは「ChatGPT Search」や「Deep Research」といったより高度な機能を備えていることが影響していると考えられる。

この「一方通行」とも言える利用状況は、ChatGPTが提供する機能の網羅性や使いやすさ、そしてブランド力が、ユーザーを強く惹きつけていることの現れであろう。ユーザーはまずChatGPTを試し、そこで満足すれば他の選択肢を探す必要性を感じにくいのかもしれない。

追撃するGoogle Gemini、iPhone市場での動向

一方、GoogleのGeminiも着実に勢力を拡大している。特にGrokのiOSアプリリリース以降、iPhone市場においてはGeminiとGrokがシェアを争う状況となっている。Geminiはここ最近勢いを増しているものの、総利用量やユーザーの忠誠心という点では、依然としてChatGPTに及ばないのが現状である。

ただし、このデータは米国のiPhoneユーザーを対象としたものであり、Googleがエコシステムを掌握するAndroidデバイスにおいては、Geminiがより強力なパフォーマンスを発揮している可能性は十分に考えられる。今後の市場動向を占う上で、プラットフォームごとの利用状況の違いは注視すべきポイントと言える。

データが語る未来──AIは私たちの日常にどう溶け込むのか?

ChatGPTの平日利用50%増という事実は、単なる一過性のブームではなく、AIが私たちの働き方や学び方、さらには日常生活そのものを変革しつつある大きなうねりの序章なのかもしれない。かつてインターネットやスマートフォンがそうであったように、AIもまた、意識することなく当たり前に活用する「インフラ」のような存在へと進化していくのであろうか。

もちろん、AIの社会実装には、情報の信頼性、著作権、倫理的な問題など、乗り越えるべき課題も山積している。しかし、今回のデータが示すように、人々はすでにAIの持つ可能性を現実のタスク解決に活かし始めている。この動きは今後、ますます加速していくことだろう。


Sources

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