
中国の「人工太陽」EASTが不可能とされていた「プラズマ密度限界」を超えるトカマク実験を報告:核融合発電の実用化に大きな前進
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別名: ITER, 国際熱核融合実験炉, International Thermonuclear Experimental Reactor
ITERは核融合エネルギーの科学的・技術的実現可能性を実証することを目的とした、35カ国が参加する国際共同プロジェクトである。フランス南部カダラッシュに建設中のトカマク型核融合実験炉を中核とし、参加国は欧州連合、米国、中国、ロシア、日本、韓国、インドなど広範に及ぶ。実際の商用発電を目的とした装置ではなく、プラズマの持続的な閉じ込めと核融合反応の実証を主目的とする実験炉である。
ITER(国際熱核融合実験炉、International Thermonuclear Experimental Reactor)は、重水素と三重水素を燃料とし、超高温プラズマを磁場閉じ込め方式であるトカマクによって制御することで、核融合反応から得られるエネルギーが投入エネルギーを上回る規模の実証を目指す装置である。発電炉ではなく、次世代の核融合発電炉開発に必要な科学的・工学的データを取得するための実証段階の実験炉として位置づけられている。
ITER計画は複数の国家間協定を経て推進されてきた大規模な国際共同事業であり、建設地であるフランス南部カダラッシュでは長期にわたり主要設備の据付作業が進められてきた。2025年4月には、装置の中核をなす世界最大級のパルス超伝導電磁石システムの主要構造が完成し、計画上の大きな節目を迎えた。この電磁石システムは空母級の重量を吊り上げる能力を持つとされ、プラズマを閉じ込める磁場を生成する装置全体の心臓部にあたる設備である。
核融合研究においては、ITERのような大型トカマク型に加え、中国のEASTやフランスのWEST、米国のNIFによるレーザー核融合、さらに民間主導のステラレータ型装置など、多様な方式が並行して研究されている。ITERは国家間協定に基づく国際プロジェクトとして、単独の研究機関では実現が難しい規模の実験炉建設を可能にしている点が特徴であり、民間企業による小型・高速な開発アプローチとは対照的な位置づけにある。両者は互いに競合しつつも、核融合エネルギー実用化に向けた知見を相補的に積み重ねている。
2026年6月には、ITERの心臓部にあたる超伝導電磁石システムの設置が完了に近づいていることが報じられた。2025年4月に主要構造が完成した後、装置全体の統合作業が段階的に進められてきた結果である。同時期には核融合分野全体で複数の記録的な成果が相次いで報告されている。中国の実験装置EASTは2026年1月、これまで不可能とされていたプラズマ密度限界を超えるトカマク実験結果を発表し、同装置は1,066秒にわたる高温プラズマの安定維持という新記録も達成したと報じられた。フランスのWEST装置も2026年5月、摂氏5000万度近いプラズマを6分間維持する記録を更新している。米国のNIFはレーザー核融合実験で8.6メガジュールのエネルギー出力を達成したと2026年6月に報じられた。これらの動向は、ITERが目指す科学的実証と並行して、各国・各方式による核融合研究が同時多発的に進展していることを示している。加えて、日本では民間主導の核融合発電実証プロジェクト「FAST」が2026年6月に概念設計を完了し、2030年代の実証を目指すロードマップを示すなど、公的プロジェクトであるITERと民間主導の取り組みが相互に競合・補完しながら核融合エネルギーの実用化を目指す構図が明確になっている。

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