サイエンス
リチウムの限界を超えるか。寿命を2倍に延ばす「ナトリウムイオン電池」の新技術が米国立研究所で誕生
米国エネルギー省太平洋北西国立研究所の研究チームは、ナトリウムイオン電池の長年の課題である電極界面での溶媒分解問題を解決する「メタ弱溶媒和電解質」を開発した。これは、溶媒分子がイオンに弱く結合しつつ高速で入れ替わることで、高電圧下でも電極表面での副反応を抑制し、実用的なサイクル寿命を実現する画期的な技術である。
別名: TFP, Tris(2,2,2-trifluoroethyl) phosphate
トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)ホスフェート(TFP)は、リン酸エステル構造にフッ素基を導入した有機化合物である。PNNLの研究チームは、このTFPがナトリウムイオンに対して「ごく弱く結合する」性質を持つことに着目した。従来の電解液にTFPを導入することで、イオン周囲の溶媒分子が高速に入れ替わる動的な環境を作り出し、輸送効率の向上と電極界面でのスムーズな脱離を両立させることに成功した。これにより、高電圧動作時における電解液の分解を抑制している。